_ 四字と熟語 198
去る日のことである。ぼくが仕事以外で立ち寄るとこ
ろは七つの図書館と数店の本屋である。あたかも、りん
ごさんが洋服店で、素敵な品を物色するように、ぼくの好
奇心を満たしてくれるような本を探すのである。その日も
家路をたどる途中にとある書店に立ち寄った。入るとすぐ
目先に新刊の売れ筋の本が平積みにされている。いず
れもベストセラーの名をほしいままにしている本たちであ
るが、これらの本のなかにぼくの気を引く本はない。次に
本棚に並べられた本の背中をなめるように探していると、
おや、ビートルズの幽霊なる書名が目に留まった。著者
は葉山葉と、いかにもペンネーム然とした名であるが知
らない名だ。いまさらビートルズの感もあるが、そしてビ
ートルズに関する、手に入る限りの本は読破しているので、
新たな情報が手にいる可能性はないだろうと言う判断が
あるので手に取るのを躊躇したが、もしやと言う勘が働き
手にとってペラペラとページをめくり、すばやく盗み見をす
れば、いやはや手馴れた文体。文体がよければ中身もよ
かろうと言う、ぼくの根拠なき独断で購入した。これが大
当たりだった。あまみつさん、お勧めいたします。是非。