独り言    8月15日 | はなのブログ

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          流転と独楽    15
  冬の花火って誰の小説の書名だったっけなぁ。たし
か渡辺なんとか、あるいはぼくが大好きな向田邦子の
本のような気がするが、おそらく前者だろう。俳句がこ
ういった言葉の使い方をよくする。ありえない言葉の配
列で新鮮な感じを読む者にあたえるのである。例えば、
冬の運動会、これが向田邦子か。夏の雪。冬のスイカ。
夏の吹雪。冬の夕立。夏のスキー。冬の夏休み。などな
ど、いくらでもあるが、あまりたくさんならべると陳腐な感
が否めない。
  ぼくの愛読書は、名にし負う岩波の広辞苑である。初
めて買ったのは、渋谷東急でアルバイトをして、そのギャ
ラで買った。勿論、東急デパート内の書店である。19歳の
ときだった。それ以来長いお付き合いだ。枕にもなるし、筋
力アップのアレー代わりにもなる。そのうえ読書の対象に
もなるのだ。読んでいると、ほとんどの言葉が初対面だ。こ
んなに言葉があるかと驚くばかりである。あまたある言葉
を駆使すれば、冬の花火、どころか、無限な言葉あそびが
可能になるのではないか。
  ほとんどの男子は、遊郭へ行くことで大人になった自覚
を覚えるのであるが、不肖わたくしことはなは、広辞苑を小
脇に抱えて下宿に帰るべく、玉電にゆられながら大人の自
覚をおぼていたのである。