独り言    6月30日 | はなのブログ

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          たまちゃん   20

  ずいぶん昔になるが、ある本に衝撃を受けたことがあ

る。それは倉橋由美子のパルタイと言う本だった。真っ黒

い本で、ただタイトルに赤い字でパルタイと書かれている

不気味な本だった。

  この本を買ったのは、早稲田の佐藤書店である。古本

屋である。ぼくがこの本を見つけたときの喜びは今でもよ

く覚えている。そしてなんどもなんども読んだ。なんだか突

き放したようなサメタ文体だが、そのころのぼくの精神に

フィットしたのか、ぼくは飢えた獣のように倉橋由美子の本

を求め探した。

  そのころは倉橋由美子はもとより、吉本隆明、埴谷雄高

などの本は、今では信じられぬことであるが、紀伊国屋など

の大手の本屋にはおいていなかった。もっぱらその手の本

は古本屋でしか探すしかなかったのだ。したがって神田、早

稲田はもとより、大阪、京都まで探し求めた。今から思えば

なんと情熱的なことであったことであろうか。それほど知的な

ものに飢えていたのである。現在そのような気持ちがあるや

否やを、忖度すれど、はなはだ忸怩たるものを感じざるを得

ない。

  今は、嘗てのような飢餓めいた知識欲はなけれども、の

ほほんと読書を楽しんでいるのである。これでいいと思って

いる。