驟雨と毬 19
近過日と言うと大仰だが、簡単に言うと先日のこ
とだ。いつものごとく車を転がしていて、なにげなくラ
ジオをおしたら、RCサクセション・忌野清志郎のトラ
ンジスタラジオがながれてきた。すきな曲なのでリズ
ムあわせて体をゆすりながら聴いていたら、なぜか
感極まって涙が飛び出してきた。これは一体どうした
ことであろうか。バッテリーはびんびんだぜー!♪♪
やはり、と思った。致し方ないとも思った。とうぜん
だとも確信した。おいらの心根のなかには小さな不
良が住んでいるんだ。そいつが反応したんだ。そい
つはおいらのなかで今だ健在なんだ。
嗜好というものは正直なもので、昨年、高校のクラ
ブの仲間四人で食事をした。30分ばかり近況を述
べ合って、話題が尽きた。昔の共通の趣味だったビ
ートルズを思い出し、おいらがその後の音楽の好み
をみんなに尋ねると、一人はカーペンターズ、後の二
人は首をひねった。その瞬間、おいらには三人が随
分遠い存在に思えた。一人などは訊きもしないのに、
ハードロックを貶した。三人が小さくなった。おいらの
頭のなかでレッドチェッペリンやジミーヘンドリックス
のコンサートが始まった。ロックンロール、えい!