独り言   2月22日 | はなのブログ

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         まほろば   2

 B氏は、とある人妻とそのマンションで情熱的な

一夜をともに過ごした。人妻の夫は出張中なので

安心し切っていたら、朝方、玄関のインターホンが

鳴り、扉のレンズ越しには、なんと夫の姿。B氏は

あわてたものの、人妻の方は落ち着き払ったもの

で、台所からゴミ袋を抱えてきて玄関の扉をあけ

ると、

「まあ、お帰りなさい、あなた。ちょうど良かったわ。

わたしまだネグリジェだから、これ出してきてくれな

い」

 夫がゴミ袋を抱えて階下へ降りて行った隙に、B

氏は部屋を抜け出し上階へ登っていき、そこでゴミ

置き場から戻った夫が部屋に入ったのを確かめて

から階段を降りて無事建物の外に出た。歩きなが

らも、ひたすら人妻の機転に感心するばかり。

「いやあ、たいしたもんだ。なんて頭のいい女なんだ。

それにしても間抜けな亭主がいたもんだ。フフフフ」

 ついつい顔がほころぶ。時計をみると、まだ朝7時

なので、職場へ直行せずに、ひとまず自宅へ立ち寄

ることにした。玄関のインターホンを押すと、しばらく

して寝間着姿の妻が寝ぼけ目をこすりつつ、ドアを開

けてゴミ袋をおしつけてきた。

「あら、あーた、ちょうど良かったわ。わたしまだパジャ

マなのよね。悪いけど、お願い」

 ゴミ袋を抱えて階段を降りながらB氏は愚痴る事しき

りだった。

「まったくどうしょうもないグータラな女だ。困ったもんだ、

一日中家にいて、ゴミもだしとかないなんて」