独り言   2月17日 | はなのブログ

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        流転と啓示   26

 経済学が科学として発達できたのは、偏にワルラ

スのおかげである。だが、ワルラスの一般均衡理論

を継承し。これを完成させて経済学を本当の意味で

科学にしたのは英国の経済学者、ジョン・リチャード

・ヒックスである。

 ヒックスの主著「価値と資本」に依って経済学は初

めて科学的な分析のツールを手にし、精密な科学と

しての第一歩を踏み出したのである。確かに「価値と

資本」の登場に依って、ヒックス以前の経済理論はみ

な旧式になってしまった。

 ヒックス以前の学会には、経済学の基盤となる価

決定の理論として、客観価値論と主観価値論の

二つがあった。投下された労働時間に依ってモノの

価値を測る労働価値説は、前者の代表例。モノから

得る利便・満足といった人間心理に依って価値を説

明する限界効用理論は後者にあたる。

 数理的手法を用いて複雑な経済現象を説明したワ

ルラスの功績は、確かに大きい。だが、ワルラスはこ

の限界効用理論を基盤とし、効用は測定できるという

仮定に基づいて、一般均衡理論を展していた。

 ヒックスの功績は、パレートが導入した限界代替率の

概念を発展させ、限界効用という測定不能な人間心理

を理論体系から駆逐した処にある。限界代替率とは、

に言えば財Aを一単位減らした時、減らす前と同じ満

足を得るために必要となる財Bの量だ。二財の価格の

率から導かれる限界代替率を理論基盤とする事に依って、

不可測性を解消したのである。    つづく