独り言   2月14日 | はなのブログ

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        流転と啓示   24

 資本主義は私有財産制と自由契約制が在って、初

めて成立する。これは資本主義の原理である。これを

国の法に定め、資本主義発展の礎を築く事ができた

のは、資本主義の精神を備え持つ貴族が支配者とし

て機能していたからである。つまり、政治の事はすっ

かり彼等に任せ、経済の担い手ある資本家がその活

動に没頭できたからこそ資本主義は開花し、発展し得

たのである。

 かって日本にも、真の企業者として資本主義過程を

支え、大胆な革新を敢行した人々がいた。それは明治

維新の下級武士達である。禄高百石以下を下級武士

というが、革新の担い手となったのは下級も下級、最下

級の武士達である。生活は貧しかったが、彼等にはプラ

イドが在った。自分達こそが国家の柱石であるというプラ

イド。我が事として国の行く末案じ、いざとなれば総てを

投げ打って身心を奉ずるという高い志。加えて彼等には

教養が在った。

 革新の担い手たる資質をを備えていた、というだけでは

ない。明治四年に階級制度が廃止され、彼らは職業を失

ってしまった。武士という職業そのものが無くなってしまっ

たのだから、最早伝統にこだわる術も意味もない。生きて

ゆくためには、それまでとは全く違った事を遣るしかなかっ

た。彼等こそが新生日本の立役者になった。

 資本主義は、その経済的成功故に生き詰まり、失速する

とシュンペーターは語った。又、創造的破壊を推進する資

本主義のエートスが衰弱し、資本主義の屋台骨とも言える

私有財産制と自由契約制が形骸化すれば、資本主義は衰

退し、やがてその終焉を迎える、とも予言している。つづく