流転と啓示 14
合理的期待形成仮説を要約するとこうなる。
人々は総ての利用可能な情報を利用する事に依っ
て正しい予測ができる。その上、総ての経済理論をも
利用できる。
消費者と企業の行動の合理性と、自由市場はベスト
であるという事が極限にまで強調される事になった。そ
れ故、人々には経済がどう動くか、政府が何を遣り、そ
れが自分達にどんな結果をもたらすか分かってしまう。
ここから、政策不要論つまり、政府は何もしないのが
一番良い,が出てくる。
さて、古典派とケインズのどちらが日本の経済に適合
するか。残念ながらどちらの処方箋も上手く作動しない。
その原因は理論にあるのではなく、両派が研究の対象
としている資本主義と、その精神が無いからである。
資本主義風ではあるが、社会主義的であり、封建主
義然としている。これが日本経済の実態である。
ケインズ理論が政策として有効に作動する時の条件
は、役人が公正で有能ある事を前提としている。役人が
無能で。天下ったり、汚職ばかりしている国ではケインズ
政策は作動しない。況んや役人が勝手気儘に市場に干
渉するようでは古典派の理論も機能しない。
日本の行く末を案じるならば、何よりもまず、腐朽した
官僚と家産官僚制を駆逐する事が肝要である。つづく