檸檬 3
昨日、ぼくのパソコンの先生がナントカというも
んを買ったので見せにきてくれた。大雪の中わざ
わざである。
そのナントカというものはぼくのパソコンと同じ機
能で、しかもコンパクトで、ちょうど本ぐらいの大き
さなのである。指で触ると画面が動き、さながら高
級な玩具そのものである。パソコンなんて大仰な
機械でなく、さらにノートパソコンよりも小さくて便
利なのであるからして、人気のほどは、推して知る
べし、衰えたりといえどアメリカ恐るべしの感がした。
このような小賢しき文明の利器を開発する力が
まだ残っていたのである。しかし、裏側をよくよく眺
むれば、メイドインチャイナなる訝しき文言が印字
されているではないか。はは、片腹いたいは、なる
へそ、製造は労賃がやすきかの地、中国でやんす
か。ガリバー、アメリカよおまえもか、就業率が悪い
のもむべなるかな。こんなところにも、世界経済の
一端が垣間見える。
われらの目にアメリカ製の商品が見当たらないの
は、絶えて久しい。軍の武器の多くがアメリカ制であ
ることは周知のことであるが、このへんにアメリカの
ゆがんだ経済の構造がみえてくる。アメリカは兵器
以外に売るモノはないのか。そんななか久々に兵器
以外に売れるものができたのである。だが、焼け石
に水の感もある。