雪だるま 8
古代ギリシャは役人はいないほうがいいと考えた。
職業役人は全くいらないが、それでは、統治に支障
が出る。そこで、役人は抽選で選んで任期を短くし
た。役人が長く居座るのを恐れたからである。
ところが巨大帝国は官僚制なしではすまされない。
儒教国中国は伝統的な官僚制の国である。官僚制
がまともに動くための条件の一つとして必要不可欠
なものは官僚制と競合するシステムである。これが
ないと腐敗と堕落がはじまる。中国では宦官である。
官僚制と宦官制が競うことで、組織の腐敗と堕落が
防止できたのである。
日本は明治以来官僚制を受け入れてしまった。最
大の欠陥は、さきほどの競う組織を作らずに、官僚
制を導入し、さらには、経済組織でもなんでも官僚制
を手本にして作ってしまったことである。競う組織があ
れば、両方ともに腐敗してもそれぞれの仕方は、官
僚の腐敗の仕方とは全く違ったものになり、ともかく
それぞれの機能は果たす。ところが日本では全部が
同じような官僚組織だから、行政も、企業も、学校も
みんな同じように腐朽して、どれもが機能しなくなった。
日本では、儒教はもう生きていないが、儒教による
弊害はますます大きくなっている。エトスとしての儒教
は滅んだが、官僚制度、受験制度という奇態な行動
様式として残っている。るるるるる。