独り言   12月18日 | はなのブログ

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          彼岸   3

 トーマス・マンのトニオ.クレエゲルを読んだのは、

たし高2のときだった。学校の図書館で借りて読ん

だ。岩波文庫の星ひとつの薄っぺらい本だったが、

青春文学として中身の濃い本だった。ドイツのぼくと

同世代の少年がこんなことを考えているのかと思い

その早熟に驚いた。

 ドストエフ・スキーはぼくが心酔する作家だが、初め

読んだのは中2のときで、罪と罰だった。ドスト氏は

解で有名であるが、ぼくは面白かった。あまりにも

面白いので全集を買ってもらい全部読んだ。そのせ

いか1時期読みもしない日本文学をバカにしたことが

ある。

 トルストイの復活を読んだのは高1だった。恋愛小説

勘違いして購入したんである。はたして裏切られた。

のせいかトルストイもほとんど読んでいるが、ドスト氏

に比べるといまいちである。

 ジョイスのユリシーズを読んだのは二十歳のころだっ

た。おそろしくたいくっな本にへきへきとしたが、それで

もがまんして読んだがなにもおぼえていない。プルース

トの失われし時をもとめても、の頃に読んだが、これ

もまた全く記憶がない。

 ぼくが当にほんとうに大好きな作家はチェーホフで

る。ドスト氏を畏敬するが、好きなのはチェーホフで

ある。なかでもとりわけ大好きなのは「可愛い女」であ

る。ぼくはこの作品は「奇跡」とすら思っている。くりか

えしくりかえし何度も読んでいるが少しもあきない。ドス

ト氏のカラマゾフも10回は読んでいるが、これもまたあ

きない作品である。いい作品は古くならない、という法

則は厳然として生きている。春は曙太郎。