白河夜船 12
ぼくは黒い犬なので冬はあったかくていいが、夏
は暑くてたまらん。逆に白吉君は夏は涼しくていい
が、冬はさむてたまらないらしい。とかくにこの世
はままならぬ。二匹が満足できるようにグレーに
染めるという案が上がりましたが、個性を尊ぶ傾
向をもつぼくら二匹は断然反対の意が強く納得
できませんでした。
全ての犬が満足する社会なんて考えられませ
ん。セトバーナードは彼の希望と不満があり。又
チワワは彼女の意見と批判があります。そこの
ところを仕切るのが政治というものです。特定
の種類の犬の利益に奉仕する祭りごとでは政
治は立ちゆきません。ここに政治の公平性が
もとめられます。
犬社会にも人間同様、社会の発展段階とい
ものがあります。開発独裁のようなトップダウン
のシステムが社会を急激に発展させるに合理
な場合もありますが、長期的には腐敗を生み
ます。犬衆が自立した集団として成熟し、ボト
ムアップの犬衆の権力を樹立することが将来
的な近未来のイメージとして持ちたいものです。