白河夜船 4
はなはだ僭越ではございますが、ぼくはこう
考える。あかい花があり、一方こちらに白い
花がある。この花らを見て皆さんはどう考え
るのであろうか。
まずなんの興味をしめさない野暮天がいる。
これもひとっの生きかたである。彼にとって
は花などとるにたらない無価値なそんざいな
のである。
方や歩いている人、ふと花にめがとまり、お
やっ、と花にちかよる。眺めやりつつ鼻をくん
くんとやる。五感で味あうのでしょうな。こう
ゆう人、ぼく贔屓したくなります。共感するの
ですな。
そしてぼくは思う。ぼくははな。そのはなは花
なのか鼻なのか華なのか洟なのか端なのか
塙なのか葉菜なのか巴菜なのか羽菜なのか、
一体どのハナなのかわからないのである。怪
しからんことに、まだ決めていなかったのであ
る。さあ、困った。