ヘロヘロ論考 1
生きるということは恥じおおきことです。つまら
ない顔をぶら下げて街を歩いてみるのも、ぼくと
しては楽しいものですが、さて、街にとっては迷
惑かもしれません。そんなことを気にしていても
実に、つまらないことかもしれませんが、つまら
ないことが気になることってありますよね。
こんなことがありました。ぼくが街を歩いてい
たときです。いつものように平凡な日常でした。
ぼくは何のもくてきもなくただ歩いていました。
歩くことが目的でした。ぼくの心のなかは平穏
そのもので、頭のなかにはモーツアルトのケッ
ヘル40番がながれていました。ぼくは、ぼくが
歩いているのだな、と思いました。生きている
のだ、とも思いました。まだまだいけそうだ、と
も思いました。その時、ぼく自身がなぜかいじ
らしく思えてきたのです。理由はわかりません。
とにかくそういう気分に襲われたのです。ぼく
はちょうど橋本の蕎麦屋のまえを歩いていた
ので、橋本により、ぼくににしんそばと、お銚
子一本を奢ってやりました。そんなことってあ
りませんか?