諤諤たる愚者の記 31
ヴィトゲンシュタイン 3
世界は論理に対応している。つまり、世界は言葉
によってとらえられる。いや、言葉によってしかとら
えられないのだが、世界と言葉(命題)とは、論理
という共通の形式で結ばれれている、というのであ
る。つまり「言葉は世界の絵」なのだ。それゆえ、
そうした論理で満たされている「論理的な空間」こ
そが世界なのであり、したがって、言葉の果ては
世界の果て、「世界の限界は、論理の限界」とい
うことになる。
そこで、論理の構造をあきらかにすること、すな
わち、言葉の仕組みを解明することだけが哲学の
任務とされ、それ以外のこと、たとえば価値の問
題、論理的な問題を論じることは、無視される。
ヴィトゲンシュタインは、つぎのように記す。
-世界のなかには、どんな価値も存在しない。
-倫理的な命題はありえない。