諤諤たる愚者の記 21
読書というのが、ほとんど毎日の生活の中心で、
そのまわりを仕事とか、遊びとか、家庭サービス
とかがくっついている、というのがぼくの実情で、
およそつまらない人生と言わざるを得ない。
読書といっても威張れるようなものではなく、図
書館に入り、本が並んだ棚を探して歩き、思い
つくまま適当に選ぶのだから、いい加減なもんで
ある。決して体系的に学習しているわけではない。
読書はぼくにとって単なる癖であり、時間つぶし
なのである。要するにそれ以外のことに無知なの
だ。なにも、人様がなさってる、釣りとか、賭け事
とか。ゴルフ、パチンコ、なかでもマラソンをする
などは、信じがたい行為としか考えられない。も
のぐさ、あるいは怠惰、無気力とでも非難されて
も、いたしかたない。ぼくは毎日読書するつまら
ない男であることを矜持となす。ぼくの手帳より
50、「奴は敵だ。敵を殺せ」日本人の政治感覚
「奴は敵だ。だから警戒して手を握れ。そうす
れば平和が訪れる」西洋的なパワーポリティクス
51、一般的に言って、国家はその内側から見る
と、見えませんね。 柄 谷 行 人