諤諤」たる愚者の記 11
歔欷が流れて、葬列は終わる。生命をいただくということは、死をも手にす
るることは自明であるが、そのことを凝視するには人間は耐えられない。まる
で、千尋の谷を覗きこむがごとし。だから日常の生活のなかでは忘れたふり
をしているが、新聞などで親しい知人の死亡記事に接すると、子供の頃予防
注射でだんだん自分の順番がちかずくのを恐れるような感慨につつまれる。
俄かには信じがたいが、ある本によると、京都には妖怪が沢山いるらしい。
それはそうだろう、ながい歴史のなかでいろんな事件や、争いがあった。それ
も日本を揺るがす大事件が狭い面積のなかで目白押しである。東京の比で
はない。日本のなかにたくさんの都市があるが、古都京都は魑魅魍魎がさま
ようまほろばである。太宰治ではないが、京都には妖怪がよく似合う。
ぼくの手帳から
28,「ねえ、パパ、幸せって何?」
「大人になって結婚すれば、よーく分かるさ」
「へーえ、パパ、ほんとう?」
「ああ、本当だ。ただそれを知ったときには、もう手遅れなんだけれどね」
ちいさいおうち バージニア、リーュドトン
29、日活の便所にありて思うこと吉永小百合もここでするかな
30、心なき身にもあはれはしられけり鴫立つ沢の秋の夕暮 西 行
31、「死もまた社会奉仕」 石 橋 湛 山
32,愛ーみがえりを求めない、一方的なエネルギー
恋ー自己の欲望を充足、みがえりを求めるもの。
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