ふらふらの記 13
徳島県庁の北、新町川をはさんだ向かいに二階建てのレストランがある。
昼食はランチがコーヒー付きで千円と、まあまあの価格で、主婦やOLまたは
サラリーマンなどに人気がある。
そこえ三人の中年男がドアをくぐった。
「まぁ、ここに座らんで」
柏木が二人をうながした。
「どこでもええは」
と新井は座る。
「ほなけんど、入口きのどくじやなあ」
太田が二人の顔を見ながら言うと、
「胃癌かぁ。早期発見なら助かるけんどな」
と言って、柏木が溜め息をつき、
「あいつの家は、みな癌じゃ」
「--------」
そこえウエイトレスが、オーダーをとりにきた。
新井が、
「いつものランチとホットコーヒー。おまえやは?」
「いっしょでええわ。わしはレイコ」
と太田。
「わしは、ホットにするは」
と柏木が言って、
「今夜はどうする。久しぶりにマージャンせえへんで」
「ええのう。太田ええじゃろう、せんかだ」
新井が太田に言うと、
「二人で、まっきゃげようと、思いよるんじゃろ。はははは」
「おまえに、まえに負けとんでないか。はははは」
と柏木が言って笑った。