ふらふらの記 6
時間つぶしに喫茶店でコーヒーを一人で飲んでると、隣の席からこんな会話
がきこえてきた。
「ひさしぶりじゃのう、げんきにしよんか」
と、ごましお頭の60歳ぐらいの男が言った。
「まぁ、ぼちぼちじゃあなあ、糖尿があるけんな」
と、禿げ頭のこれも同年輩の男がこたえた。
「そりゃいかんな、こっちのほうはどんなんな」
と、ごましおはにやにやしながら、右手の小指をたてて言った。
「さっぱりじゃ。ここ3年はやっとらん」
「-------」
「嫁はん見ても女とおもわん。若い娘じゃったらいけるかもしれけどな」
禿げ頭はそういって笑った。
「できんようになったら、生きとってもつまらんのう」
「ほんまじゃ、若いころは一晩に10回やったこともあったけどな」
「おまえは好きやったけんな、クラスの美代子やったんだろが?」
「あれは美代子がモウションかけてきよったけんじゃ。あの娘ええ身体しとっ
た。眠んとやったら、翌日太陽が黄色に見えたわ、あれほんまじゃなあ」
「わしな、正直いうけど、美代子が好きじゃったけん、それ聞いたときがっかり
したは」
と言ってごましおは顔をしかめた。
「ほんなんじゃったら、美代子吉野でおるけん、いうたらやらしてくれるでよ」
「あほぬかせ、おばあはんあいてじゃたつもんもたたんは。ハハハハ」
「ほんまじゃ。ハハハハ」
のどかな田舎のひと時でした。おそまつ。