ふらふらの記 2
昨日につづき今日も、川の隣の家でお留守番。去年の冬もこの川の隣の家
でいたのだ。そのときこの川にはたくさんのおもに鴨が浮かんでいた。なかに
オシドリも見受けられ、この光景にしばし心を奪われ、欲も得もない気持ちは
すがすがしかった。
昼食後、資料の整理をし、眠くなったので、部屋に入り昼寝をする。川の流
れる水の音、小鳥の鳴き声に、果たしてすぐに睡魔はぼくを包んだ。
ぼくは16歳だった。田舎の高校出だったので、今から思えばうぶだった。で
もたまには友人と徳島にいき成人映画を観にいったのである。初めて観た映
画は三本立てで、一本はたしか、青い目が見た日本だった。あとの二本の題
名は忘れたが、出演が女2人男1人、女は姉妹という安易なシチュエイション
で、しかも大事なときだけカラーになる、当時パアトカラーとよばれていた。映
画が終わり、場内に照明が点けば、なんと学内で見かけたことのある顔が散
見し高校生の坩堝ではないか。なにやら若草を踏みつぶしたような青臭い匂
いが場内に充満し、男ぐささにうんざり。コホンとの咳もなく、ただヒソヒソの
声がかすかに響いていた。
時間は飛んで18歳。高校のクラスメイトで、徳島からわざわざやって来る学
生がなんにんかいた。そのなかの一人Tとぼくは仲が良かった。なんでも話せ
るなかで、特にTは女には詳しく、どうやら経験があるみたいなのだ。ぼくには
Tがまぶしく見えた。勉強はさっぱりだったが、ぼくはTを心から尊敬した。