いままでの貧乏がうそのようです。
兄弟にも生活費を充分わたせるようになり、二人ともなんとか世間に迷惑をかけ
ることのないようになってくれました。
いつまでも他人にやとわれるのもなんですので、資格をとって独立しました。
賃貸ですが店舗を借り、事務員と営業3名やといました。
そのうちよくある話なんですが、事務員とできてしまいまして、ヨメにしました。短
大でのエリートですが、よくをいえばきりがありません。
仕事のほうは順調で、買えば売れる、買えば売れるで、笑いがとまりません。
車はベンツにしました。女もマンションにかこっています。
ぜんはんのぼくの人生の貧乏は何だっとのか、と首をひねりました。
しかし、あれほどほしかったお金を腐るほどもうけましかが、満足感がなく、なに
ら虚しいのです。
ビルもたてました。株もやってます。ますますもうかりますが、虚しいのです。
あれほどほしかったベンツがばからしいおもちやに思え、貯金の通帳にならんだ
すうじがアリのように無意味な記号にみえてくる。
それでも懸命に働けばまた意欲がわいてくる、いぜんにまして働きました。
ところがある日とつぜん、バブルがはじけてしまいました。見る間に土地は暴落
し、銀行の借金はかえせません。女には逃げられ、ヨメとは離婚。もちろん、豪邸
も会社のビルも 競売にかけられました。のこったのは借金と子供二人です。
やっぱりぼくの家系は先祖代々の貧乏です。ちゃんと9代めも控えています。