今から、15年ほどになりますが、僕はねこを飼ってました。
とらねこでしたが、名はたまとつけたのです。
たまは、徳島市のはんこ屋さんでうまれた,おすばかりの三兄弟でした。
僕が司法書士事務所に勤めていたので、よく三文判をかいにそのはんこ屋にい
ってたのです。
そこの奥さんが話好きで、はんをかいにいっては世間話をしてたのですが、ある
日奥さんがにこにこしながら、
「子猫がうまれたんじょ、見てみいへん」
と、ダンボール箱に入った三匹の子猫をさしだしました。
それがたまちやんとのであいでした。
たまちやんは末弟で、ほかのより身体がすこし小さかったです。
家につれてかえると、おかあさんが、
「かおがよごれてるね」
ぬれたタオルでごしごし鼻の下をふいたのですが、とれませんでした。どうやら、
よごれでなく、もようだったみたいです。
たまも何年かして、すっかり大人になりました。とおくまでめすねこをナンパしにで
かけるようになりました。
ある日、出勤のためバイクで家をでてすぐに、道路でねこが車にひかれてしんで
いました。ぼくはあわててたまとおもい、ひろって家に帰り、おかあさんにたまをあ
ずけて、出勤しました。
11時ぐらいに、おかあさんから事務所に電話がはいり、
「たまちゃんがもどってきたでよ、どうやら猫違いじぁなあ」
ぼくのミステイクだったのです。
おかあさんからきけば、ねこの死体はおむすびとたまちやんが好きだったスルメ
を箱にいれて、裏の畑の片隅にうめたとのこと。
そのご、たまちやんは何匹もの子猫のおとうさんになり、ながいきをしましたが、
さいごは病気になってしまい、ぼくたち家族みとられながら、しずかに息をひきとりました。
たまは今、裏の畑でねむっています。