独り言  4月8日 | はなのブログ

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 五年ほど前、つきあっていた女性がいました。

 その当時、ぼくはまずしいサラリーマンでした。

 給料がやすく、部屋代と食費でほとんどなくなりました。

 彼女は、お家が商売をしている、いわゆる御嬢さんなんです。

 ぼくは、仕事が営業なので、時間が不規則だし、日曜出勤もときどきあるので、デートは、週に一二回ぼくの部屋で彼女が夕食を作ってくれて、二時間ほど時間をすごすのです。

 ある日、約束どうり、彼女がスーパーで食材を買って、部屋にきました。

 料理はおたのしみで、なにをつくるかおしえてくれません。

 ぼくは、仕事の資料のせいりをしながら、料理ができるのをまっていました。

 1DKの部屋のDから彼女の鼻歌とまな板をたたくおとがきこえてきます。

 しばらくすると、フライパンの油がはねるおとがします。

 (なんだろうなーーーー)

 はらがグーとなります。

 「できたわよ。目をつぶってください」

 と、彼女は歌うようにいいます。

 ぼくは、目を閉じてまっています。

 「なにかなあ」

 と、ぼくは甘え声でこたえます。

 テーブルのうえにお皿や茶碗をおく音、料理のあったかな匂い、もうたまりません。

 「はい、目おあけてーー」

 との、彼女こえに、ぼくは目をあけると、テーブルの上にはぼくが大嫌いなレバニラいためがありました。

 がまんして一口二くち、くちにしましたが、どうしても飲み下しません。

 ぼくの食事のようすを見ていた彼女は、すこし顔色が青ざめ、気まずい時間がながれました。

 「たべてくれないのね」

 彼女は吐き出すようにいって、泣きながらバッグをもって部屋をとびだしました。

 その後、彼女との連絡はとれませんでした。

 やがて風のたよりに、彼女が医者と結婚したとききました。

 ぼくは知ってます。ぼくがレバニラいためが嫌いなことを、彼女は知ってて作ったのだと。