あんずの甘い香り,A子が持ってたアメだ。
しかし、A子の姿は見えない。
男たちの足、尻、醜くゆがんだ顔、顔、顔。
ピカソのゲルニカ状態、いやそれ以上だ。
僕の体も、右足は左、顔は天井、目は上下に分かれてしまっている。
A子はどこだ!
一目会いたい。
A子ー、A子ー
ムンクの叫びのように僕は口をあけた。
駄目だ、これでは死んでしまう。
徳島へ帰れないではないか。
お母さん!
僕は決めた。帰ろう、僕の部屋に。あの何もない部屋に。
最後に,A子に聞こえてほしいと、
あるビールメエカーと同じ名の、A子の住む町の名が入った歌を大声でうたった。
恋の町ーーーーーーと。
ほうほうのていで部屋に帰り、しばらく(二三日)はボーとしてましたが、ある日気になってA子のブログを覗いてみた。
ブログには、一枚の写真が貼りついていた。
それは,A子の部屋の写真だ。まさにあの時の、男たちでいっぱいになった部屋、そして中央に僕の歪んだ顔が写っていた。
A子のコメントはこうです。私のお部屋は、いつもお客様でいっぱいです、-と、