【使用環境】NW-A16に直挿し。特に生活音の聴こえない環境で使用。
【デザイン】
SHUREやWestoneお得意のデザインです。SHURE掛け前提のデザインで、形自体は格好良くも悪くもないと思います。"世界最小のBAデュアルドライバイヤホン"なだけあって、ハウジングのサイズは小さいです。
Wシリーズは、フェイスプレートを交換することができます。黒、青、赤と3種類のプレートが付属していますが、どれも同一の柄です。ハウジングに"W20"と書かれている様は格好良くないので、個人的には紙やすりのようなもので無地にしたいところ。
【音質】
周波数特性的なバランスは、フラット気味です。細かいことを言えば、若干低音が小さいです。あと、重低音が出ないので、低音だけを意識すると音が軽い印象を受けます。一方で、中高音は、ボーカルの音が少し刺さる以外に欠点や癖が無く、聴きやすく綺麗です。
解像度や音の分離は、良好です。音の定位も、しっかりとしています。
音場の広さは、やや狭い~並みです。
【フィット感】
かなり良いと思います。まず、ハウジングが小さいので、耳にしっかり納まります。また、ハウジングが丸みを帯びている上に軽いので、装着時の違和を感じにくいです。更に、イヤーピースとSHURE掛けのサポートが加わり、ずっと着けていられるようなフィット感を得られます。
強いて悪い点を挙げるなら、2ドライバー以下のモデルはハウジングが軽すぎ、サイズが小さすぎで、3ドライバー以上のモデルより装着時の安定性に欠けます。
【タッチノイズ】
少なめです。SHURE掛け向けのイヤホンなので、少なくて当然です。リモコンマイク付きでないケーブルには針金のようなものが仕込まれていますが、自分でコードの形を整形にし難いので、タッチノイズの少なさを重視するなら、リモコンマイク付きのケーブルを使った方が良いかもしれません。
【外音遮断性】
普通~高いです。シリコン製イヤーピースの方は、一般的なカナル型イヤホンと同等の遮音性です。ウレタン製イヤーピースを付けると遮音性が高くなりますが、SHUREやUEのイヤホンにウレタン製イヤーピースを付けたものよりは高くありません。
【音漏れ防止】
普通~やや漏れやすいです。遮音性的に音量を上げ過ぎることは無いと思いますが、一応気を付けておいた方が良いレベルではあると思います。
【携帯性】
頑丈なケースが付属していて、イヤホン自体のサイズが小さく、特に嵩張る要素もないので、携帯性は高いです。ただ、付属ケースはサイズ的にイヤホンを収納しにくいため、余裕があるなら別のキャリングケースを用意したいところです。
【総評】
いぶし銀という言葉が似合うイヤホンだと思います。悪く言えば、中途半端です。汎用性の高いイヤホンではあると思います。音質も良いですし、何よりもフィット感が良いです。しかし、得意な音楽ジャンルや音質的に特徴的な要素を挙げづらく、どのような層にもお勧めしづらいです。
コストパフォーマンスは、あまり良くないと思います。付属品は「物凄く出来が良い」とか「汎用性が高い」とかあるわけでなく、どちらかと言えば品質や使い勝手の悪さが目立ちます。デザインも微妙です。音質やフィット感など、実用性面を重視な一面が強いですが、付属品の影響で割高になっている感がします。
ググれば分かりますが、W20とUM Pro20の空気っぷりは凄いです。私がそうでしたが、いきなり「コレが欲しい」と思うのではなく、イヤホンに求めている条件を絞っている間に見つけて「あって良かった」と思うようなイヤホンです。条件に合うなら買った方が良いですし、条件に最適でないなら中途半端ですし別のイヤホンを買った方が良いと思います。
【備考】 ※比較機、エージング具合など
・比較に用いたイヤホン…HP-CN40A、MDR-EX800ST
・エージング具合は、ホワイトノイズで20時間ほどエージングした状態。
・イヤーピースは、太さが中で細長いタイプのものを使用。
・ケーブルは、イヤホンマイクが付いていない方のケーブルを使用。
・UM ProシリーズとWシリーズには、単品3000円程度のキャリングケースと、約1600円相当のイヤーピースセットが付属。また、Wシリーズにはイヤホンマイク付きケーブルも付属。
・リケーブル対応機種だが、端子が準独自のもので、純正ケーブルは8000~9000 円ほどと高め。