∼🎶🎶∼
「…ユノさま?鼻歌なんて珍しいですね?」
「…ん?俺鼻歌なんて歌ってた?」
「…はい」
「…そっかぁ～気をつけよう」
暖かい日が続く春真っ盛りの今
今日も外はよいお天気だ
その天気に負けず劣らず俺の心も温かい
「……お顔がこれ以上ないくらいにニヤけていらっしゃいますが?何かございましたか?」
「…ん～～特に何かってわけじゃないけど～最近チャンミナがよく笑うんだよ」
「…チャンミンさまが?」
「…笑うって言うか笑顔が増えたって言うか…とにかく一時期に比べたら格段に明るくなったんだ」
「…あ〜それはユノさまのおっしゃるとおりかもしれませんね?朝ユノさまのお迎えにお屋敷に伺ってチャンミンさまにお会いした時感じますね～」
「…そうだろ!?お前達も思うだろう?」
「…はい!!いつもお美しいのですけれど ご病気のせいかお顔が暗い時がございました…でも最近は本当にお美しい笑顔を拝見できて我々も嬉しく思っております♡」
「………若干気になるとこはあるけど…まぁいいか…お前達にも色々心配かけたからな」
「…やはりチョン家の要であるチャンミンさまがお元気でないと皆のモチベーションも上がりませんからね～」
うんうんと
頷きあう秘書達
「…いやいやだからさぁ!?チョン家の主は俺!!お前達はまず俺をたてるのが筋じゃないのか?」
「…は?」
「…え?」
一気に冷たい視線が俺に向く
「………ユノさまは唯一無二のパートナーであるチャンミンさまの事 本当に大切に思っていらっしゃいますか?」
「…あ、当たり前だろ!?この世で一番大切だよ!!」
「…ではユノさまはご自分がパートナーであるチャンミンさまより立場が上だと?」
「…え?い、いや?そんな事思った事はないけど?」
「……では先ほどのご発言どういう意味でしょうか?」
「………え……いや…それはお前達が!!あまりにもチャンミナの事ばかりたてるから!!お前達の雇い主は俺だ!!って言いたかっただけで…別にチャンミナより上だとか思ってないよ!!」
…………………。
…………………。
「……ユノさま」
「…な、なんだよ?」
「…私共は一度も!!ユノさまを蔑ろにした事などございません!!ユノさまは立派な経営者であり立派なチョン家の当主にございます」
「…あ、ありがとう…そんな風に思ってくれていたんだ?」
「…しかし産まれた時からチョン家と言う名家…そして実業家のご家庭でお育ちになったユノさまと違いチャンミンさまはごくごく普通のご家庭でごくごく普通にお育ちになりました」
「…うん」
「……そんなチャンミンさまがまったく環境の異なるところに…それも同性であるユノさまのもとに『嫁いで』いらっしゃった…そして20年近く『夫』であるユノさまにそれはそれは献身的に尽くしていらっしゃったのですよ?…人知れずご苦労なさったでしょうしご本人も知らないうちに多大なストレスもかかっていたのかもしれません」
「………うん…そうだろうな」
「…それだけに周りの人間が支えて差し上げるのがチョン家にお仕えしている我々の努めだと思っております」
「…!!!…」
「…『チョン家に来てよかった』と幸せなお気持ちで過ごしていただきたいと思って我々はチャンミンさまを見守っているつもりでございます…ユノさまにはキツくお感じになられたかもしれません…申し訳ございません」
「……いや…俺こそごめん…みんながチャンミナの事をそこまで思ってくれている事 有り難いと思っている…俺も力不足で頼りない『夫』だけれども…これからもよろしく頼む」
「……私共でよければ…」
そうだよな～
俺が当たり前と思っている事でも
一般家庭で生まれ育ったチャンミナにしてみれば戸惑う事が多かったのかも知れない
もっと早く『夫』の俺が気がついてやるべきだったんだ
「………俺もまだまだガキだなぁ～💨」
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