秘書の学友が営むクリニックにチャンミナを連れてやって来た
「…ユノ…お仕事大丈夫ですか?僕ひとりでもよかったのに」
「…大丈夫!!このためにスジに協力してもらったしスケジュールも調整したんだから」
「……僕の知らないところで『暗躍』していたんですね?💨後で秘書さん達にお礼しなきゃ」
『暗躍』って
俺は暗黒界のボスじゃねぇって!!
ひと通りのカウンセリングをすませ
再び診察室に呼ばれた
「…は?」
「…え?」
「……ですから専門の医師を紹介いたしますので そちらで治療を受けてくださいと申しましたが?」
「………えっと〜それって女性の病気じゃないんですか?」
「…いえ…男性にもそういう症状が出る方はあるんですよ…チャンミンさまはまだ症状が軽い方だと思います…早めに治療なさった方がよろしいかと」
「……はぁ…」
俺もチャンミナも何だかピンとこない
だって
今まで聞いた事なかったから
「……ちなみに伺いますけど…どんな症状が?」
「……不眠とかチャンミンさまのような突然襲う不安感や悲しみ…意欲の低下とか…」
「…意欲の低下?」
「…仕事への意欲とか…性欲の低下ですかね～」
「…は!?それは困る!!」
思わず叫んでしまった
「…!!?…ユ、ユノ!?」
チャンミナが大きな瞳を見開いて俺を見ている
「…チャンミンさまは『専業主夫』でいらっしゃいますよね?…仕事への意欲低下は関係ないように思いますが?」
コクコクと頷くチャンミナ
「…いやいや…性欲の低下ですよ!!…今でも3回に1回は拒否られるのに!!…っ!?ってまさか!?もうその症状があらわれていたのか!?」
バチン!!
「…!?…」
ビンタされた?
「…チ、チャンミナ?」
顔を真赤にしてぷるぷる震えるチャンミナ
「…あなたは!!何度言ったらわかるんですかぁ～!?💢💢場所を弁えて発言してくださいって!!何度も何度も何度も!!」
「…え?お、俺 何か怒られるような事した?」
「…はぁ〜!?💢」
呆気にとられる医師と
くすくす笑う看護師
「…い、いや俺は単純にお前の事が心配で…」
「…性欲低下に反応するって!!!∥∥∥さ、3回に1回に拒否するって!!…ばかですか!!?∥∥∥あ、あなたの底なしの体力に付き合っていたらこちらの身体が持たないから拒否るんです!!自分の体力ばかを少しは自覚してください!!」
「…え?じゃぁその病気のせいじゃなく?俺の事飽きたからじゃなく?」
「…違います!!」
「…よかった～💨」
「…は?」
「……だってお前に嫌われたら俺 人生真っ暗じゃん?チャンミナに認められたくて今まで頑張って来たんだから」
「…!!…」
こほん
「…!!?…」
医師の咳払いに我に返った
「…ぁ、す、すみません」
「…∥∥∥…」
その専門の医師への紹介状を渡しながら
「……まぁこれだけ理解のあるパートナーがいらっしゃるのですから…すぐに症状は軽くなると思いますよ?しかし治療は継続して受けてくださいね」
「…もう〜!!∥∥∥恥ずかしい!!２度とこのクリニックに来られないじゃないですか!!」
帰宅する車の中で ぷりぷり怒るチャンミナ
「…だってさぁ〜!?パートナーとしては大事な事じゃん!?」
「…だ、だからっ!!∥∥∥」
「…でも原因がわかってよかったな?お前の元気が我がチョン家の繁栄に繋がるんだから…ふたりで治療頑張って行こうな?」
「……ユノ……」
「…俺達は『夫夫』なんだからさ?嬉しい事も苦しい事も一緒に乗り越えて行こうよ…な?」
チャンミナは何も答えなかったが
繫ぐ手にぎゅっと力がはいった気がした
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