水上哲夫のブログ

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あちこちで話したことなどを書き綴っていきます。おんなじ話を繰り返さないように・・・

宮城谷さんの「草原の風」話を読んだ。後漢の光武帝の話だ。

昆陽の戦いで数万の兵で100万の大軍を破った彼は、幽州、冀州(河北 旧満州のすぐ南)へ平定のため派遣される。

最初は順調だった。各地の豪族を味方につけ、味方を増やしていった。

 

ところが、エリア南方の邯鄲に新しく漢の王族と称する男が皇帝を自称し、自分の正当性を唱えた。さらに彼は光武帝に莫大な賞金を懸けたため、豪族たちは動揺しそちらに味方するものが増えた。光武帝は、わずかな兵とともに南の端、信都郡に逃げ込む。そのときは、兵もわずかで寒さと飢餓で疲労困憊していたという。

 

しかし、その後徐々に勢力を拡大し、数十万の兵を擁するようになる。それまで訪問した先で、略奪を許さず、治安を回復し人心を安定させてきた実績が、彼の支持者を増やし、草の根の人々がそのような統治者を求めて動き出したのである。

やるべきことをきちんとしていくことがすべての信用の基礎となる。当然のことだが目先の利益に振り回されやすい人が多いことも事実だ。

パリオリンピックで最初の金メダルを取った柔道の角田夏実さん。高校までは思うような成績を上げられず、パテシェになろうと思ったこともあったらしい。結局、推薦を受けて東京学芸大に入学した。

 

それまでは、強豪校で厳しい練習を重ねてきた。一方学芸大には自主的に練習をする気風があった。ロシアの格闘技サンボや柔術の技も研究し、めきめきと強くなった。「ここだから思う存分楽しく柔道を学べた」という。

 

スポーツに限らず、大きく伸びる人にはこういう時期がある。人に言われて一生懸命に努力する時期と、自分なりに工夫をして納得できるものを身に着ける時期。この立ち止まる時期を持たないと困難に出会ったときこれを克服する心胆が生まれない。

単なる根性論は、他人が単にあおっているだけのこともある。必要なものを取り入れ不要なものを無視するためには、この自分は何者かという覚悟を持つ時期が必要なのではないか。

 

パリで行われているオリンピックは、昔の建物が転用されている。パリで1867年に万博が開催された当時の建物も含まれている。

1867年の万博では江戸幕府のほかに薩摩も日本薩摩琉球国太守政府という名称で参加している。明治時代、日本は西洋諸国の文物を取り入れるために盛んに海外を訪れた。

 

パリは、今でも観光地としての人気は高く、観光客数で世界一である。日本も人気は高く、2023年のランキングで前年の世界20位から4位に急上昇した。訪問したくなるのはその国にへのあこがれがあるからだ。

 

先日、東京を訪れたが列車も地下鉄も海外からの訪問客が多く、乗客の半分ほどをしめているのではないかと思えた。

特に東アジアの人たちは日本へのあこがれを持っている。暗い話はいろいろあるが、やはり日本は外から見てなかなかいい国なのである。もっと自信を持っていい。

 

 

 

最近、Youtubeで東亜紀(あずまあき)という歌手にはまっている。16歳ながら、昭和の時代を中心とした3000曲の持ち歌があるという。

その中には、「この木なんの木(日立のCM)」や「いすゞのトラック」まである。自分が昔好きだった曲を歌ってないか探しては聞いている。

 

すごいな、天才だよななどと考えていたら、気が付いた。最近若い世代がパワフルに活動していることを。

メジャーリーグの大谷翔平。パリオリンピックも、参加者は史上最多の409人。男子バレーは世界ランキング2位。サッカーはアジアトップ。女子バレーは中国を連破。

音楽の世界に目を向ければ京都橘高校のマーチングバンドは、アメリカのローズパレードに出場が決まった。

 

「いまどきの若者は」というのは古代エジプトからあるらしい。

本当は昔から若い世代は活躍していて、今目立っているだけかもしれない。でも、頼もしさを感じる。

日本の株価は、日経平均が先日4万円を突破。最近少し下がってきたが、日本全体が上げ潮に乗っている感じもする。

 

日本は、災害の多い国だ。でもそこから立ち上がることで日本の底力は育まれてきたのかもしれない。

健康診断の数値を気にする人は多い。さらに、「塩分を控えめに」とか、「運動量を増やしましょう」などのコメントがついてくるとその通りにしなければと考えることになる。うまく対応できなくてストレスを抱え込む人も多い。

 

人のアドバイスをみんな受け入れてしまうと未消化に終わる。優等生ほど100点満点を取ろうとして無理を重ねる。健康問題に限らずあらゆる場面で見かけられる光景である。

 

人生を生きていく主人公は自分自身である。まず自分が楽しく生活することが先で、それを損なわない範囲で人のアドバイスを聞いたらいい。

私は3大成人病すべてに該当する。でもビールが好きだから、よほどのことがなければやめようとは思わない。

陳に在(いま)して糧(りょう)を絶つ。

従者病みて能(よ)く興(た)つこと莫(な)し。

子路慍(いか)って見(まみ)えて曰わく、

君子も亦た窮すること有るか。

 

子の曰わく、君子固(もと)より窮す。

小人窮すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。

 

論語にある話。楚に行こうとした孔子一行は、陳・蔡両国の軍隊に行く手を遮られる。食べ物がなくなり、病人もでて動くことができなくなる。高弟で武闘派の子路が怒りに燃えて孔子に問う。君子のようにきちんと生きているものでも行き詰るということはあるのでしょうか。と。孔子は、行き詰るということは誰にでもある。ただ、小人はそんな時に乱れてどうしていいかわからなくなる。冷静に現在の状況をとらえられるのが君子というものだ。

 

困難に出会ったとき、自暴自棄にならず冷静に現状をとらえることが大切だと教えている。下村湖人の「論語物語」陳蔡の野でもこの話を紹介している。

 

実は、老子の言葉にも似たような言葉がある。これは、老子の関連本にはなくて、韓非子の中で老子の言葉として紹介されている。

 

衆人之用神也躁 躁則多費 多費之謂侈

聖人之用神也静 静則少費 少費之謂嗇

 

普通の人の精神は騒がしくて無駄にエネルギーを消費する。聖人の精神は静かでエネルギーを抑えることができる。

 

 

 

晋の文公(以下重耳とする)は、中国春秋時代に覇権を握り時代を動かした人物である。

 

驪姫(りき)の乱と呼ばれる後継者争いに巻き込まれ、長男の申生(しんせい)は自殺させられ。次男の重耳と三男の夷吾(いご)は国外に逃れる。さらに、暗殺者に狙われた重耳は、逃れて苦難の末「斉」にたどり着く。幸い斉の桓公は、重耳を重用し娘とも結婚させた。重耳はこの待遇に感激し与えられた豊かさにどっぷり浸る。

 

だが、彼についてきた家臣たちは気持ちが収まらない。彼らは故国「晋」の惨状を知っていた。どうしても重耳に晋の君主になってもらいたい。そのため彼らは相談の上、重耳を斉国外に連れ出す計画を立てる。だが、その話は重耳の妻の侍女が木の上で盗み聞いていた。彼女は重耳の妻にこのことを告げる。

 

計画当日、重耳の妻は家臣団に「この人は斉にとどまるべき人ではありません。酔わせて連れ出すという計画に協力します。なお、侍女は私が殺しました。」と語る。

 

斉国外で気が付いた重耳は激怒し家臣たちに剣を向ける。しかし家臣たちは「晋に戻れなければ死ぬ覚悟です」といい一行はそのまま旅を続けた。重耳は秦の穆王に支援され晋の君主になることになる。晋の国を出てから19年目の出来事である。

東京都知事選後。石丸伸二さんと大手メディアとのやり取りが注目を浴びている。アイドル出身の女の子を泣かせた。とか、質問に答えない。とか、高飛車に出ている。などである。

 

石丸さんは銀行の為替アナリストとして、南北アメリカを飛び回っていたという。個人的な感想だが、国際的なアナリストであれば様々な質問や意見にさらされていたのではないか。たとえば、「アルゼンチンのインフレはどうなるか。」という問いにのんびりと「そのうちおさまるかもしれませんね。」などと返していたら、石をぶつけられるだろう。即座に応えるためには、様々な角度から問題点を検討して答えられるようにしておかななければならない。

 

自分がディベートを教えたことがあるのでこれは優れてディベート的だと感じている。

 

今までの選挙は、演説が主流だった。高いところから聴衆に訴える。感動的なエピソードを交えてみんなの心をつかむ。という流れだった。そこでは逆襲されることはあまりない。

一方ディベート型は双方向の議論が中心になる。ぼんやりした発言をするような奴は置いて行かれる。

 

石丸さんに対する批判は、大手メディア・学者で大きく、アナリストやYouTuberは評価する声が多い。既得権益を持ち椅子にふんぞり返っていた人々が、逆質問を受けてあたふたするケースが多かった気がする。泣かされたと評された山崎怜奈(元乃木坂46)

さんは、「今後とも精進します。」とXに書いていた。変化を前向きにとらえるべきである。

今回の都知事選は、選挙が演説型からディベート型へ変わっていくきっかけになるかもしれない。

 

4月28日にと東京15区の衆議院の補欠選挙があった。立憲民主党の酒井さんが当選したが2番手は2万票台で4人が並ぶという展開になった。その中の一人に飯山あかりさんがいる。ネット上では有名人である。日本保守党の候補者として、落下傘であるにもかかわらずかなり善戦した。

今回の都知事選。ネット上で評価の高かった石丸伸二さんは、選挙開始時ほぼ無名に近かったにもかかわらず、最後は160万票を集め二位。小池さんに及ばなかったが蓮舫さんを上回った

 

テレビコマーシャルの収入は2019年にネットの収入を下回っている。朝日・毎日新聞の発行部数はこの10年で半分、読売・産経で4割減。ネットの有名人がリアルの世界にどっとあふれ出している印象がある。

 

大学を出て、ダイエーで研修を受けているころ、私のあだ名はジョアだった。

 

研修中、同期の仲間と仕事終わりに飲んでわいわいやっているとき、私が自販機から買うのがいつもヤクルトジョアだったからだ。当時の飲み物は、コーヒーかココアかコーラかとにかく甘ったるいものばかりだった。一番甘くないと感じたのがジョアだった。

 

今から20年以上前。中国へ行ったとき。ホテルで夜中に喉が渇いて冷蔵庫を開けたら、中身はジュースやコーヒーや甘い飲み物ばかりで閉口した。ボトルに入っていたボイルドウォーターを飲んでしのいでいたら胃の調子が悪くなった。近くの自販機でお茶を売っていたなと考えて外に出たが自販機も電気が入っていない。詳しい人の話では、自販機のお茶は砂糖入りだと教えられた。甘くないもので料金を取るのはおかしいという考えらしい。無糖は空港で売っているサントリーのウーロン茶くらいだったらしい。

 

高度成長期の頃にはすべてに答えがあってこれさえしとけば大丈夫というものがあった。でも、甘いものしか選べない時代より無糖のお茶が飲めるいまのほうが気持ちは安らぐ。