12/28観劇@梅田芸術劇場
キム:笹本玲奈
クリス:山崎育三郎
エンジニア:市村正親
ジョン:岡幸二郎
トゥイ:泉見洋平
ジジ:池谷祐子
エレン:木村花代
やっぱり、なんと言っても笹本玲奈さん。
他のどの作品より長く伸ばした髪、他のどの作品より過激でセクシーな衣装、他のどの作品より汚れた衣装、他のどの作品にもない難しい楽曲、他のどの作品より素直な表情、他のどの作品より哀しい人生…。
玲奈ちゃんにしかできないキムがそこにいて。
生娘で、素直で、恋する乙女で、ホステスで、夢をもって、絶望していて、芯が強くて、母親。
どのキムも、心から美しい。玲奈ちゃんだったからこそ。
ただどうしても静かな曲の入りは聴きづらい。玲奈ちゃん割といつも。(笑)
しかしこんなこと言うとファンの方には悪いけど、ここまでのキムは知念里奈や新妻聖子には出来んと思ってしまう。
それはビジュアルや年齢も含めてのことであるし、2人がダメな役者なんではなく玲奈ちゃんがハマり役やったんやと思う。
クリスは、今回山崎育三郎さんを見て。
レミゼでマリウスをやってた育くんを見たときは、役も相まってあまり熱を感じなかったけど、今回はめっちゃ良かった。
もともと声はすごく美しいし、二枚目のビジュアルも持ってるから、それに男らしさや熱が加わってて、役の差別化が上手いなーって思った。
育くんはもちろん努力もあるんやろうけど持って生まれたものにめちゃくちゃ恵まれた役者さんな気がする。
まず顔が王子やし、ちょうどいいくらいのタッパあるし、歌声綺麗やし台詞も通るし。オーラあるし、誠実そうにも色男にも見える容姿と雰囲気を持った人。ただあんま声量はないかも。
まああとはね、言わずと知れたホリプロの真骨頂、眠る気のない獅子。市村正親大先生。(笑)
このキャッチコピー使ってくれへんかな、なかなかぴったりやと思うんやけど。(笑)
市村さんは前回観たのはモーツァルト!かな。あのときも出番的には少なかったのに恐ろしいほどの存在感やった。
一体なんなんやろう、あのどっしり構えてブレないキャラと独特の歌と芝居。一体なにからあのエネルギーが出てるんやろう。役者として目指すべきものを持ってる人やなぁ。
見ててなんか芝居の細かいとこに目がいかない人なんよね。それって役者としてめちゃくちゃすごいことと思うんよね、個人的に。
芝居がどうとかすっ飛ばして市村さんはエンジニアっていう人間になってんねんな、たぶん。
思い出しながら書いてて、全然市村さんの芝居のここが~とか出てこないの。
作品の中で一貫して一部の隙もなくエンジニアなの。市村さんとエンジニアがずーっとイコールで繋がってんの。すごいの。
どんだけ探しても違和感がないの。
言ってみれば作品のムードをぶち壊しながら話を展開させていくのがエンジニアやのに、そのぶっ込みが作品全体の邪魔をしないし、且つ全力でぶっ込んでんの。
なんなんやろうね、役者かじってる身としては知りたい謎が多すぎる!(笑)
あの人の無限とも思えるエネルギッシュさと、芝居にかける思いの源が知りたい!!
トゥイ役の泉見洋平さんとジョン役の岡幸二郎さんは劇団四季っぽいな~と思ってたら岡さんはほんとに元四季の方でした(笑)私の目に狂いはなかった!泉見さん違ったけど(笑)
泉見さんもライオンキングでスカーとか似合いそうやのになー。
まぁ二人ともめちゃくちゃ主張強い。いい意味で。
個性の立ち方が半端じゃない。っていうのは二人とも馬鹿みたいに声量あるし、ビジュアルも物凄い特徴ある。
ほんとに名脇役。見ててちょっと痛いくらいにキムが大切なトゥイと、寂しくなるくらいに大人で頭のいいジョンを見事に体現しておられた。
あと今回機材トラブルで雑音が大音量で入るっていうアクシデントが二回ほど起きたけど、ジジもエンジニアも顔色一つ変わんない。
内心びびってたかもやけど、そういう演出かと錯覚するくらい堂々と続けてはった。こういうところにプロを感じる。
バンドとかでもそうやけど、ミスったときとかトラブったときの対応って、如実に経験値とか出ちゃうと思う。
実力も努力も大切やけど、場数踏むってこともほんとに大切。
どんだけスポーツ上手くても実戦経験ない人いきなり公式戦で使うの怖いもんな。そういうことなんやろうな。
なんかね、今まではヨーロッパが舞台のミュージカルばっか観てきたおかげで、よくわからん凝り固まり方してたミュージカルに対する概念が覆されたよ。
サイゴンて誰。って思ってたレベルで知識なかったけど。(ちなみにサイゴンとはベトナムの現ホーチミン市の旧名です。地名w)
ストーリーや演出は、かなりいろいろ調べてから観に行ったけど、東宝では珍しく下調べせずとも一発で理解できる内容でした。
マリーアントワネットやエリザベート、レ・ミゼラブルなんかは初見で全て理解するのはほぼ不可能なんで今回も警戒してた。(笑)
この作品が他のミュージカルと明らかに違うのは美術や衣装だけじゃなくて楽曲ね。
まぁ難しいことこの上ない。
アメリカとベトナムが舞台な訳やけど、両方の音楽のカルチャーをしっかり捉えた音運び。
ヨーロッパが舞台のミュージカルとは明確に違う。作曲家ってすごい。
ストーリーにあまりに救いがないので観るのにエネルギー使うから忘れがちやけど、よくよく考えればわかりやすさとしてはかなり観客に優しいミュージカル。
ミュージカル初心者の方には割りとオススメできる部類。
ポップで楽しいのが良ければ劇団四季を観に行ってくださいって感じやけどね。(笑)
楽しいお話ではないです。
しかしとても引き込まれる世界でした。
自分が舞台始めてからなかなかニュートラルな状態で舞台を観れなくなっていたけど、そんなことお構いなしに引き込まれる作品でした。
おしまいまい。