【足部を考える】

全身には約206個骨があります。

そのうち足には骨が左右それぞれ26個あり、割合的に足の骨は多いといえます。

骨が多いということは関節が多いということで、関節が多いということはやはり何か意味があることなんだろうなぁと改めて思ってみたわけです。

ここでは難しい話は無しにしてシンプルに色々まとめてみることにしました。

まず足について柔らかさと硬さを大まかに考えてみましょう。

足が柔らかいことで凸凹な地面に対応ができます。

逆に足のアーチがあることで関節が圧迫されより強い蹴り出しや安定感が生まれます。

そのアーチが存在するのは動物のヒトのみです。

一般的にアーチの役割は

・衝撃の吸収
・足部の保護
・放熱
・効率的な歩行を作る

なんて言われています。













陸上選手などは意外と低アーチの方が多くそれでもパフォーマンスが高い選手もいます。

自分も安静時は立派な扁平足ですが、かといって(自分で言うのも変ですが)運動音痴でもなく、ターンやダッシュ、持久走もどちらかというと速い方でした。

ちなみに扁平足の自分は直立立位で腸腰筋を意識する場合は足部をスクイーズさせて距骨を回外方向へ引き上げないとスコーンと入っていきません(その他頭部なども意識します)。

そういった意味では意識しなくても入れられるインソールは楽なのかも知れません。

極端にswaybackであったり、歩行でプロネーションが強いとかそう言った問題があるのは別の話で、コントロール可能であれば良いのかなぁと。

だから上記の話は一般的にはという形でしか捉えていません。

次に足趾の配列についてまとめてみましょう。

トルコ型、ギリシャ型なんていう分類もありますが、

母趾が他の指と並んでいるのも類人猿から見るとヒトの進化の結果ということになります。












余談ですが、呼び名の由来は彫刻にあるようで、
パリのルーブル美術館でギリシア・ローマ時代の彫刻とエジプト彫刻を調べたところ、
彫刻20数体のうちすべてが「第2趾が母趾よりも長い」造形で、
エジプト彫刻の30数体のうち約半数が「母趾が第2趾よりも長い」造形なのだそうです。

『足の形とシューズについて: スポーツ経済産業新聞』より

、、、さて。

話を戻します。

ヒトの足は5本の指がすべてくっついていて、全体が細長い構造となっています。

サルなどは母趾が他の指から離れていて全体の幅が広い。構造的には手のようなものです。













図のものは類人猿は第一趾と第二趾の幅が広がっているのがわかる。

サルの足の形は生まれた時から大人の状態と同じで、成長とともに発達するヒトの足とは異なっている。

例えば、足趾の骨が足全体に占める割合をみると、

サルは生涯にわたって約35%であるのに対し、

ヒトでは幼児で25%、成人では17~18%となる。

この変化の背景には、

歩く際の前方への推進力を引き出すために趾骨の割合が減り、直立姿勢を安定させたり踵から転がるように歩くことによって歩行が効率的になり足根部(踵)が発達するからと考えられます。

馬の踵の位置を考えると馬は立つためではなく走るための動物というのがわかります。










また、サルとヒトでは足の関節の固定性にも違いがあります。

ヒトは『本来』全身の力や動き、リズムなどを効率的に機能させて歩行を行う。

そのため、足根部、中足部が靱帯や筋、腱によってしっかりと固定されている。

一方サルなどはその安定感はなく長時間直立で歩くことはできない。

サルは足でも手のように物を把持することが可能であるが、

ヒトは足から手の機能を取り除いたことによりより効率的に歩くことが可能となったのではないかと考えられます。

足の進化って面白いですね。







ブログのまとめ



『physio minerva(フィジオ・ミネルヴァ)』

保坂 知宏
・理学療法士
・ファンクショナルローラーピラティス®マスタートレーナー
・エボリューションウォーキング®インストラクター
・全米ヨガアライアンス200時間修了

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