話し方、伝え方を学んできて思うのですが、伝わるお話には共通する特徴があります。

それは・・・「点と点を繋ぐ」ことができている、ということ。(スティーブ・ジョブズのスピーチみたいなタイトルですね)

点に相当するものは3つ。感情、言葉、世論としましょう。

まず、感情とは「嬉しい」「悔しい」等の心に湧き上がった想いや気持ちです。

次に、言葉とは口から出る言葉。

最後に、世論とは世の中で言われていること、考えられていること。

 

では、それぞれが繋がるとどうなるのでしょうか?

 

①感情と言葉を繋ぐ

自分の内面に湧き上がった感情を、実際に言葉にすることです。そのままストレートに言葉にしても良いし、それができたらその理由を添えてみましょう。

ひとり言として言葉にしても良いですが、できれば誰かにその言葉を聴いてもらいましょう。(聴く側は、意見やアドバイスをするのではなく、ただ頷いて受けとめてあげましょう)

 

この行為に、何の意味があるのか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、これは非常に大切なことです。

 

自分が何にどんな感情を抱いているかを知ることは、自分の興味、自分が大切にしている価値観を知ることです。言葉にすることでそれが明確化されます。頭で考えているだけでは同じところを堂々巡りします。自己の理解を深めることに役立つのです。

「自分が何者か」が分かれば、周りの言葉に左右されない芯となります。

それは、自信にもつながるのです。

 

また、言葉にすることで感情は解放され、楽になります。

自分の感情をため込んでいる人は、苦しむとともに、外に対する感覚が鈍化します。うつ病になる人は言葉が出なくなりますよね。感情を言葉にすることは、自分を守る上でもとても大切なことです。

 

日本人は、感情を言葉にすることが苦手です。何故なら、これは私的な充足を求めるものであり、公の利益と反する場合があり、それが文化的に良しとされないためです。幼少の頃より自分の感情よりも周りの感情を大切にしろと教育され続けるからです。

しかし、感情と内面を一致させることができないまま、次の段階に進んでしまうと義務感と我慢が常に付きまとう様になります。

その結果、悪くなる環境・境遇への諦めが先に出る様になり、できている人間への嫉妬をするようになり、見せかけの正論への検証ができなくなり、不幸かつ不本意な生き方を強いられることになります。

日本にはびこる暗部の背景には、この感情と言葉を繋ぐことを疎かにしてきたことが大きいと私は感じています。

 

次回は、②言葉を世論に繋ぐことについて学んでいきましょう。

 

続く