このブログでは、これまで話し方・伝え方に焦点を当ててお話してきました。

 しかし、話し方・伝え方の上達を目指すなら、併せて学ぶべき大切なことが有ります。それが、話の”聴き方”です。
 
 人の話を聴くのは得意ですか?
 
 大体の人はこの質問に「うーん、、」と悩むと思います。

 話すとは「発信」です。だから話すのが得意かどうかは、その発信を受け取った側の反応を見れば比較的容易に判断できます。
 一方で、聴くとは「受信」です。受ける側である以上、得意かどうかどうかなんて考えることは意識でもしない限りありません。仮に、「うーん、内容がよく分からない」「要領を得ない話だなぁ」と思っても、それは話し手の責任だとして片付けてしまいます。
 
 話し手が不特定の多数に向けて話すというパブリックスピーチであれば、それは全くその通りで話し手に責任が有ります。話し手はその状況をも鑑みて話を組み立てなくてはいけません。
 
 しかし、職場やプロジェクトチーム、家族や友人関係など閉じられたかつ継続的な人間関係であれば、聴く力が有るかどうかはスムーズな関係の構築、そして抱えている課題(仕事、問題)解決の成否をも左右する要素となります。
 
 特に管理者・リーダーにとっては重要さを増します。「組織はリーダーの器以上に大きくならない」という言葉が有ります。器とは器量であり器量を構成する要素はいくつかあります(信頼感、威厳、包容力、責任感、当事者意識、決断力・・・)。これらの要素は話す(発信する)という行為と聴く(受信する)という行為に端的に表れます。
 
 そして肝心なのは、
 
話す(発信する)という行為はコントロールしやすい(取り繕うのが容易である)のに対し、聴く(受信する)という行為はコントロールしにくくどこかで必ず自分の持っている癖が出る
 
ということです。
 
器量を磨く意味でも、リーダーが聴く力を身に付けることは、個人に留まらず組織にとっても非常に大切です。
 
 では、上手な聴き方とは、一体どのような聴き方でしょうか。
 一概に良し悪しは言えないのですが、3つの観点から考えることができます。
 
1) 態度
2) 解釈
3) 反応
 
です。これらを分けて、改めてお話していきたいと思います。
 
 


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