さて、文法・語法の基礎を復習してきましたが、最後に前置詞の使い方を勉強しましょう。前置詞は、名詞や名詞同等の動名詞・名詞句などの前に置かれ、日本語で言うと名詞の後に置かれる「てにをは」みたいな働きをします。

よく使われる前置詞の数は多くありませんが、同じ前置詞でも色々な意味があり、奥は深いものです。でも、それぞれに根っ子となる意味があり、それを理解して例文と一緒に覚えれば大丈夫、会話でもある程度自信を持って使えるようになります。


1.時を表わす前置詞

(1)at, on, inの用法

・atは時の一点を、onは定まった日時を、inは比較的長い時を示す。(時刻はat、日付はon、週、月、年またはそれ以上に長い時はinで表わす。)

例:私は6時に起きました。
  I got up at six o’clock.

例:私は7月1日に生まれました。
  I was born on July 1st.

例:ダイアナ妃は1997年に死にました。
Princess Diana died in 1997.


(2)ある期間の終始点や前後関係を示す前置詞

・till/untilは「~まで」という意味である事柄が継続して行われる終止点を示し、by「~までに」である動作が完了する期限を示す。

例:6時まで私を待っていてください。
  Wait for me till six o'clock.

例:この仕事を明日の正午までに仕上げなさい。
  Finish this job by tomorrow noon.


・fromは「~から」という意味である事柄の始まる出発点を示し、sinceは「~以来」の意で現在まで継続して行われている事柄の起点を示す。従って、sinceは現在完了形と共に用いられることが多い。

例:今から3時まで英語を勉強しましょう。
Let’s study English from now till three o’clock.

例:今朝からずっと雪が降っています。
  It has been snowing since this morning.


・beforeは「~の前に」の意で、ある時期以前の時を示すが、tillのような継続の意味は持たない。afterは「~の後に」(beforeの反対)という意味で、ある時期以降の時を示す。

例:それは独立記念日の前に起こった。
  That happened before the Independence Day.

例:私は本日以降(明日から)宿題をやる努力をします。
  After today, I’ll make efforts to do my homework.


(3)ある期間中を示す前置詞

・forは「~の間」という意味で期間を表わし、duringはある特定の期間中の全部または一部を示す。

例:彼はニューヨークに1週間滞在した。
  He stayed in New York for a week.

例:私はこの休暇中にニューヨークに滞在するつもりだ。
  I am going to stay in New York during this vacation. (「この休暇」という特定の期間中)


・throughは「~の間中」という意味で、ある期間全部を通して継続することを示す。

例:一晩中雨が降っていた。
  It kept raining through the night.


(4)時の経過を示す前置詞

・inは期間の経過を示し、「~たてば」の意に用いる。withinは「~以内に」の意で、ある期間以内を示す。Inはその期間の終わり頃を指すのが普通で、withinはその期間内ならいつでもよい。

例:私はそのプロジェクトをひと月で仕上げましょう。
  I will finish the project in a month.(今から約ひと月後)

例:私はそのプロジェクトを1ヶ月以内に仕上げます。
  I will finish the project within a month.(最大限ひと月)


・afterは「~たってから」の意で、inと同じような意味を持つが、通例inが未来の期間を示すのに対し、afterは過去を起点として時の経過を示すのに用いる。

例:彼は1週間たってから仕事に戻ってきた。
  He returned to work after a week.(過去のある時から1週間後)


・past「~過ぎ」とto「~前」は時計の時刻を示すのに用いる。

例:5時10分過ぎ[前]です。
  It is ten past [to] five.


・aboutとtoward(s)はともに「~の頃」という意味を表わす。aboutは漠然とある時の前後どちらも考え、 toward(s)はある時の少し前を想定して用いる。

例:私は真夜中頃眠りから覚めた。
  I woke up from my sleep about midnight.

例:今月の終わり頃にまた会議をしましょう。
  We will have a meeting again towards the end of this month.


・overは「~中」、「~の終わりまで」という意味で用いる。

例:私は週末が終わるまで/週末中ここに滞在します。
  I will stay here over the weekend.


・behindは「~に遅れて」の意味に用いる。

例:郵便配達人は今日はいつもの時間より遅れている。
  The mailman is behind his usual time today.



2.場所を表わす前置詞

(1)at、inの用法

・atは比較的狭い地点に、inは比較的広い地域に用いる。

例:彼は今、東京のホテルに泊まっている。
  He is now staying at a hotel in Tokyo.

・ただし、狭い、広いは絶対的なものではなく、狭い所でもその中にある場合はinを、広い所でも遠く離れていたり、地図上の1点とみるような場合にはatを用いる。

例:私の息子は今ニューヨークで勉強中です。
  My son is now studying at New York.

例:私の事務所はあの建物にあります。
  My office is in that building.


(2)上下関係を示す前置詞

・onは表面に接触していることを示し、beneathは接触して下にあることを示す。

例:机の上にグラスがある。
  There is a glass on the desk.

例:絨毯の下のゴミは掃くな。
  Don’t sweep the dirt beneath the carpet.


・aboveは高低関係から見た上方を、belowは下方を示す。

例:富士山は海抜3,776メートルである。
  Mt. Fuji is 3,776 meters above sea-level.

例:彼は膝から下を怪我した。
  He was injured below the knee.


・overは真上、または広がりをもった「上」を示し、underは真下を示す。

例:空が我々の頭上にある。
  The sky is over our heads.

例:我々の船は橋の下を進んだ。
  Our ship went under the bridge.


・upは下から上に、downは上から下に、という意味。

例:ひとりの老人があの丘を上がった所に住んでいる。
  An old man lives up that hill.

例:その道は丘を下っている。
  The road goes down the hill.


(3)周囲、横断を示す

・alongは(長いものに)「沿って」の意。

例:彼らは川に沿って歩いた。
  They walked along the river.


・acrossは「横切って」の意。

例:我々はドーバー海峡を横切って泳ごうとしている。(横断しようとしている。)
  We are going to swim across the Strait of Dover.

・throughは「貫通して」の意。

例:軍隊はその地方を通過して行った。
  The army passed through the country.


・roundはあるものの回りや、角などを回る意を示し、aroundはあるものを取り巻いて静止している意を示す。*2つを区別なく使うネイティブも多いので気にしなくてよい。

例:私はその角を曲がった。
  I turned round the corner.

例:我々は火の回りに座った。
  We sat around the fire.


(4)前後関係を示す前置詞
・beforeは「~の前に」の意味を示す。

例:彼女は鏡の前に立った。
  She stood before the mirror.
= She stood in front of the mirror.(単に「前」という場所を示す時にはin front ofを用いることが多い。)

・afterは「~の後に」の意だが、主として動くものに用い、「~の背後に」と静止した物の位置を表わすにはbehindを用いる。

例:私はあなたのあとから行きます。
  I will come after you.

例:その子どもはカーテンのうしろに隠れた。
  The child hid behind the curtain

(5)遠近関係を示す前置詞

・onは「~に接する」「~に臨む」と接触、近接を示す。

例:彼らは湖畔のホテルの客であった。
  They were guests at a hotel on the lake.


・byとbesideはともに「~のそばに」の意であるが、どちらかといえばbesideの方がbyよりも接近した感じが強く示される。

例:彼女は門のそばの小屋に住んでいる。
  She lives in a lodge by the gate.

例:私のそばに立ちなさい。
  Stand beside me.


・offは「~から離れて」の意で、onに対する語。

例:船はロングビーチの沖合いで沈んだ。
  The ship sank off the coast of Long Beach.


(6)その他場所を表わす重要な前置詞

・betweenは二つのものの間を示し、amongは三つ以上のものの間を示す。

例:その2軒の家の間には狭い小道がある。
  There is a narrow lane between the two houses.

例:彼女の小説は少女たちの間で人気がある。
  Her novels are popular among girls.


・inは「~の中に」と静的な位置を示し、intoは「~の中へ」の意で運動、変化を示す。out ofは「~の外に」と「~の外へ」と静的位置と運動の両方の意味を持ち、in、intoの反対を表わす。

例:公園の中に図書館がある。
  There is a library in the park.(静)

例:川は海に注ぐ。
  The river runs into the ocean. (動)

例:それはパリから数マイル離れた所で起こった。
  It happened some miles out of Paris. (静)

例:ねずみがその穴から飛び出してきた。
  A rat jumped out of the hole. (動)


・toは移動の結果、到達する場所を示し、forは出発を意味する動詞に伴ってその行き先、目的地を示す。toward(s)は「~に向かって」の意で、運動の方向のみを示す。

例:彼女はフランスに行った。
  She has gone to France. (到達地)

例:彼は大阪に向けて出発した。
  He left for Osaka. (行く先)

例:彼は北に向かって歩いていった。
  He walked towards the north.


基本となる「時」と「場所」を表す前置詞を見てきました。ちょっと長くなりましたので、残りは次回に。


今回も私のブログを訪れて頂きありがとうございました。