不安の中からは何も生まれない。 | 鶴田真由応援ページ

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「不安の中からは何も生まれない。やるなら、苦しいも楽しいに変えないと」
LUCI 2001.2月号

 世の中には「伝説の」という枕詞つきで語られるものがいくつかあるが、21世紀の幕開けに装いも新たに再演されることになった'69年の舞台「真情あふるる軽薄さ」も。そのひとつ。蜷川幸雄氏の演出家デビュー作であり、舞台上にうねうねと続く、行列という名の"秩序"に挑む男女を描いたこの作品は、激動の時代にあった若者の間で大評判となった。
「でも、伝説というかそういうことは、あまり意識していません。よく知らない分、実感もないですし」と話すのは、その2001年版に出演する鶴田真由さん。今回が初舞台だが、気負いは全く感じられない。さすがに、出演を決めるまでは少し迷ったと言うが、「悩んでいるふりをしていただけで、心の中では、わりと早いうちからGOだったかも(笑)。すごく普遍的なテーマだと感じましたし、蜷川さんってとてもあったかい方なんですね。それで、思い切ってその胸に飛び込んでしまおうという気になって」
 意志的で力のある大きな目が印象的な鶴田さん。「自分の中で一度GOしちゃったら、もうGOしちゃいますね。不安からは何も生まれないし、せっかくやるなら苦しいも楽しいに変えないと」と話す彼女は、何事に対してもポジティブ思考の人だ。今回の舞台も、大きいのは不安より期待のほう。蜷川氏や共演者の様子を見ていると、「これは一緒に楽しんじゃった者勝ちかな」と言う気がしてくるのだとか。
 「それに私の場合、ふだん動き回るほうではないので、大きな空間を与えられて、そこに90分いなきゃいけない時に、感情を体でどう表せばいいのかがわからない。その回路がまだ自分にはないような気がしているんですね。だから、今回の舞台で、そのひとつでも自分でわかるようになったら、面白いなって思うんですよ」
 21世紀の初仕事が初挑戦の舞台になったのは「本当にたまたまなんです。ただ、これが21世紀の幕開けなんて、悪くないな、ちょっといいかもって気持ちは自分の中でありますね」と笑う鶴田さん。笑うと大きな目が三日月のように細くなって、しっとりとした大人の女性のたたずまいが、ふわっと柔らかな少女のそれに変わる。
 そのギャップが、また魅力的な彼女に2001年をどんな年にしたい?と聞くと、「自分勝手な年。眠っている細胞を1個でもつつきつつ、体内時計に正直な時間の過ごし方をしたいですね。何ヶ月も先のスケジュールが決められるのは苦手なんです」とのこと。「でも、そうまでする価値があるものもありますよね。たとえば、蜷川さんが21世紀の幕開けに選んだこの作品も、たぶん「前々からチケットを買っただけの価値はあるなぁ」と思えるものになると思うんです。だから、ぜひご覧あれ。私はとにかく蜷川さんについていくだけです(笑)」