光る宝石のおはなし
ヘラクレイスは家庭的な妻の手本のような人で、夫に先立たれた悲しみにくれていました
心優しい彼女は、空を飛ぶ練習をしているコウノトリのヒナが力尽きて地面に落下するのを見て、その無力な鳥を拾いあげ世話をしました
そのおかげでコウノトリは回復し、飛び立っていきました
1年後、一羽のコウノトリが彼女の方に飛んできて
ヘラクレイスの膝の上へ宝石をひとつ落としていきました
この石を落としていったのは、去年世話をしたコウノトリに違いない
彼女は確信していました
夜中に目が覚めると 驚いたことに、感謝のしるしにくれた石が光を放ち
まるでたくさんの松明があるかのように、部屋が明るく照らされていました
ヘラクレイスの石は プリニウスが「星の光を引き寄せる石」と説明しています
ルビーのきらめく赤い光は、ルビーが火から生まれたことを連想させるので
ルビーは天の火 稲妻から生まれたと考えられていました
ドイツ語で雷と呼ばれた石の異名の一つが コウノトリの石
運ぶのは赤ちゃんだけじゃないのね…
このお話は「宝石と鉱物の文化誌」から引用いたしました
眠れない夜にお勧めです