雑誌のコスメ記事を読んでいると気になるフレーズ
清らかな美
私が思い浮かべたのは 真珠
清潔感があり 透明感があり 少女の肌のような美しい真珠
真珠と人間の付き合いはとても長い
食べるために採ってきた貝の中に 光をたたえた小さな珠を見つけた古代の人は
虹色の輝きに 自然の神秘を感じたことでしょう
真珠はどうやって産まれてくるのか・・・
古代から中世の人々は
雨露や月光を受けた貝の中に 真珠が生まれると信じていた
その神秘的な色調が 邪悪な悪魔から守ってくれると思ったのは自然なこと
日本は海に囲まれ 川に恵まれ 美しい真珠の産地として知られていました
東方見聞録には 羨ましげにこんなことが書かれています
「この国ではたくさんの真珠がとれる。 美しいバラ色の、しかも丸くて大きな真珠が・・・」
しかし日本では
仏像や天皇の冠を飾る以外に人々の目に触れることはありませんでした
限られた人々しか その美しさを見ることができなかった貴重な宝石
この美しい大粒の真珠を人の手で作り出すことなど 夢のまた夢
この夢を叶えてくれたのは日本人 もう１００年以上の月日が経ちました
いまは世界中の女性を美しく輝かせてくれる真珠
養殖という手段がなければ
私たちがこの美を手に入れることはできなかったでしょう
日本の海で育てられたアコヤ真珠
日本は四季に恵まれた国
温暖な海水は やさしく貝を包みこみ育ててくれます
そして冷たい海水の中で静かな時を過ごします
この四季の繰り返しが 真珠のハリのある艶やかな肌を育ててくれます
人と自然が 手を携えて作りだした美の結晶
真珠を着けた女性の 清らかな美しさ
ピンク色に輝く真珠を覗きこむと 鏡のように輝きの中に私の姿を映してくれます
古代 誰もが手にすることができなかった真珠
今 私の肌のうえで輝いているしあわせ
すべての女性に幸運を運んでくれる 清らかな使者に感謝
これからも たくさんの女性にしあわせを運んでくれることでしょう
ＴＡＥ ＭＡＥＤＡ