夏の最後の休日に、暫く行ってなかった長距離ヒルクライムに出かけた。 水曜日〜木曜日の朝方天気が宜しく無いものの、朝方を過ぎると山梨県甲州市の天気が回復し、夜に若干崩れるという前日までの天気予報にのっとって木曜日の朝9時に、甲州市の市営温泉「花かげの湯」の駐車場を出発して本日の目的地「大弛峠」を目指して県道219号線を延々と登り始めた。 甲州市の北側は何処へ行くにも塩山駅周辺がすり鉢の底になっており、大弛峠に向かうにも大菩薩峠に向かうにも駅を離れると直ぐに登りが始まる。 「花かげの湯」の駐車場は開放されており、朝、車を停めて出発して帰って来たら汗を流し、その後に帰宅をする現地の拠点に出来る。 「花かげの湯」から大弛峠迄の道程は、琴川ダム迄が15km、大弛峠までが30kmと、琴川ダムが丁度その中間に位置している。 また、琴川ダムは概ね標高1500m。 従来1500m迄の標高だと息苦しくならないが、1800mを越えると息苦しさを感じ始めるので、琴川ダム迄が自分にとって好ましい領域。 それ以後は魔の領域。 今回、天気予報に依ると8月30日の甲州市の最高気温は34℃で、甲州市役所・塩山駅が標高400m、気温は100m上がると0.6℃下がると言われているので、標高2365mの大弛峠はきっと22℃位の筈、と此処まで取らぬ狸の皮算用をしながら「花かげの湯」の駐車場を後にした。

 午前9時過ぎに既に気温は30℃を超していた。 また、このヒルクライムは「花かげの湯」の駐車場(標高460m)から市内を抜けて山にかかり始めの琴川にかかる鳥之口橋(標高約940m)までの初めの6kmちょっとの区間の勾配が一番きついんじゃ無いか?と感じるが、その区間の交通量がそれ以後より多かったりすることも勾配のきつさの主観的な感覚と関係しているかも知れない。 とは言っても、夏休み終わりの市内の交通量は殆ど無く、ミンミンゼミが鳴く炎天下の中、体中の水分をまるで雑巾を絞るかの様に搾り取られている感覚を感じながら坂道を登って行く。市内と山の境界に位置する「鳥之口橋」を過ぎると琴川ダム迄の間は殆どが林の中の道路で、暫く太陽と縁が切れた林道を上って行く。 その為、鳥之口橋を過ぎると其れ迄の汗が冷え始めて肌寒さを感じることが出来る。 以前初夏の頃に登った際には林の中はヒグラシの大合唱だったが、今回は無音の暗闇を進む感じがした。 今迄の大弛峠の記憶を辿ると、琴川ダムの後の暫くの登りと、峠直前の3km程の区間の登りが特にきつく感じていたので、其処をどうやって乗り切ろう?と思いながら登っていたが妙案も出て来ないので、取りあえず、無理せずに、初めだけ飛ばして直ぐにバテることを避けることを確実に実行しようと思いながら登っていく。 途中、林の間から空が見えると、鳥之口橋以後琴川ダムを過ぎる迄の間は雲がかかっており、全く風景が見えない状況が続いていた。 雲がかかっていることで日射しが遮られて多少涼しくはなっているのだろうが、風景が見えないと寂しい。 それでも延々と登って行くと、徐々に雲間から青空が見え始め、最後の10km程は結構青空と日射しが戻って来ていた。 琴川ダムを過ぎての路面がコンクリートの区間の登りはきついものの、以前来た時よりきつくは感じずに過ぎ、その後は幾分勾配が緩む場所が所々あるので、風景を楽しみながら登る。 途中から谷向こうの「金峰山」の五丈石がチラホラと目に付くようになり、そのうち、登って山の上に出臍の様に突き出た「五丈石」に行って見たいな!と思いながら延々とペダルを踏んでいく。 最後5km近くからは後何kmという標識がこまめに道路脇に立つようになり、気持ちを励ましてくれる。 今回、気付くと標高1800mを越えた際の息苦しさを感じずに大弛峠に到着。 慌てずにマイペース(ノロノロですが)で登る方がバテないかな?と思った。 その後は、夢の庭園に足を伸ばして、下りに入った。 今迄は下りに入ると寒くてウィンドブレーカーを着て降りることになったが、指先が悴んでしまい、あちこち路面に開いた穴や、グレーチングを填めているコンクリートの部分が盛り上がっていてガツンと衝撃が来たりする前にブレーキをきちんとかけることが出来なかったりしたが、今回、下りに入っても寒さを感じず、指も悴むことが無かったので、ブレーキを掛けすぎ?気味にゆっくりと降りることが出来た。 但し、琴川ダム直前のコンクリートの坂の区間は、こまめにガツンガツンとコンクリートの割れ目の衝撃が来ること迄は防ぎきれなかった。 琴川ダム管理事務所でダムカードを貰い、再び県道219号線を降りる。 登りでは気にならなかった路面に散乱している砂が下りでは滑るので気になり速度を抑制気味に降りて行く。 鳥之口橋を過ぎて市内に入ってからの方が速度を上げやすくなるが、途中で農薬散布車の運転手がこっちを見ながら道路の半ば迄突如として飛び出してきたので肝を冷やし、それ以後は速度が上がらない様に再びブレーキ掛けまくりの下りで終点「花かげの湯」に到着。 1日の汗を流した。

 

 

ルート:

 8月31日 午前 9時15分 出発
記 録 データ 単 位
時 間  4:04:51 時:分:秒
距 離   62.44km

平均心拍数 139 bpm
最大心拍数 161 bpm
平均速度 15.3 km

最大速度 51.4 km

平均ケイデンス  54rpm
最大ケイデンス  90 rpm
平均出力  123  Watt
最高出力  349  Watt
最低高度  467 m
最大高度 2271 m
獲得標高 1832 m
高度ロス 1730m

平均勾配  6.5 %
最大傾斜 22.2 %゜
最低気温 19.0 ゜C

平均気温 23.3 ゜C
最高気温 32.0 ゜C

消費エネルギー
(GC)    1813kj
TSS(GC) 249.8

IF(GC) 0.783
最大ペダリング効率 64.9 %
平均ペダリング効率 42.0 %

 

 

大弛峠で、去年迄の標識は無くなっており、代わりに地図が描かれた標識が立っていた。

 

 

夢の庭園の入口の看板

 

 

夢の庭園の風景

 

夢の庭園から金峰山(きんぷさん)を見る。 YAMAKEIというWebpage に依ると大弛峠から往復4時間半らしい。

 

夢の庭園と駐車場の間に生えていたキノコ。 この他にも多くのキノコが途中に生えていた。

 

琴川ダムから見た大弛峠方面。 金峰山の五丈岩が見える。