デザインイノベーション特論(6/16)Zibaデザイン 平田さん
前回に引き続き、Ziba Tokyoの平田さんにお越しいただきました。
今回はみんなのキーワードの発表。
私はタカラトミーさんを取り上げ、キーワードは
「Categorizing for Understanding」
タカラトミーさんは非常に商品展開が豊富です。
トミカ、プラレール、チョロQ、リカちゃん人形、黒ひげ危機一髪、人生ゲームなどなど、誰もが知っているようなヒット商品を数多く出しています。
ですが、毎月50~60も出す新商品の中には斬新過ぎて「なんだこれ?」と思ってしまうものもあります。
例えば
これは鼻毛と頭の毛を触ると「ああっん」とか「あへっ」とか、変な声を出すってゆうものですwww
サイト見て笑っちゃったんですが、売り場ではなかなか手に取ってもらえないと面白さが伝わらない商品かと思います。
そこで「Categorizing for Understanding」
幅広い商品を分類し、商品カテゴリごとに新たにレーベルを作ります。
例えばこの“けびとさん”だったら、のほほん族とかの仲間にしてレーベルを作ります。
仮に「タカラトミー リラックス」みたいなレーベルにしたとします。
それでロゴ作ったりとかして、皆がしってるヒット商品の仲間だとわかるようにします。
仲間だとわかることや、さらに売り場で隣に並べたりすることで手にとってもらいやすく、商品の良さをわかってもらいやすくする、という提案です。
以上をプレゼンしたのですが、平田さんからの講評は
・キーワードはそれでいいのか
誰にプレゼンするのか。社長なのか、営業なのか、何歳ぐらいの人に?
安直に英語にしてしまったので考えていなかったです。
実際こうゆう提案をするとしたらきっと年配の方相手になると思うので、それを考えた言葉選びが必要。
また、プレゼン資料の文字の大きさや表現にも改善が必要でした。
平田さんは普段から面白い言葉をメモしているそうです。
それこそ芸人のネタ帳のように。
そうすることでデザイナーが使わないような言葉の引き出しをためていると。
プレゼンではまずそういったところからキャッチ―なものを示し、聞く耳を持たせることが重要。
これから就活に役立てたいです。
デザインイノベーション特論(6/9)Zibaデザイン 平田さん
今回はZiba Tokyoの平田さんの講義でした。
ある企業にシュレッダーを提案した時の事例を元に、いかにしてデザインの仕事を取ってきたかをお話していただきました。
・キーワード
「デザインで\1000儲ける」
テーマは「High design , High value」
提案した企業では安価で耐久1年程度のシュレッダーを売っていました。
ですがデザインが他社と似通ってしまっていて、このままではブランドが弱まってしまうのではないかという問題を抱えていました。
そこでキーワード「デザインで\1000儲ける」
販売していたシュレッダーは
7つのパーツ → パーツ数が多くて作りづらい
平面部分 → 真っ平らな面を作るには、裏にリブを立てるなどして歪みを抑えるため作りは複雑
で、提案したシュレッダーは
3つのパーツ → パーツ数が少ない分、金型も減る
金型で一気に作れるボディ → 手間が減る
このようにしてコストを削減。
さらに、スイッチを幼児が握れないように55mmというサイズに設定したり、CAUTIONマークが横に並んでも違和感ないよう丸くしたりとディティールも詰めていてカッコよくなっています。
こうして実際計算したら1000円の儲けになる!
ということで営業マンに文句を言わせず納得させたそうです。
大事なのがこのキーワードで、相手をくすぐるような一言を提示すること。
それは必ずポジティブであること。
問題があってそれを解決するってことがまずあるわけですが、問題を挙げて相手を否定するわけじゃないのでポジティブな言葉であることが重要。
とゆうことで次回の宿題は
自分の興味ある企業に対して一言キーワードを!
デザインイノベーション特論(6/2)佐藤雅彦
今回は佐藤雅彦氏について。
佐藤氏は東大教育学部を卒業、電通に就職。
基本的に営業職だったんですが、29歳でデザインに目覚めます。
まず自分の好きなデザインってどんなのか考えて「枠」があるものが好きだということに気付きます。
で、いろいろなものを枠に収めてみたり、枠をつけてみたりしたそうです。
これが後に佐藤氏が用いる「ルール」という方法につながります。
31歳で電通クリエイティブ局に転局しますが、以後2年間仕事がない状態が続きます。
その間は世界中のCMを見まくってCMをつくるための「ルール」を研究していたそうです。
そしてその「ルール」を用いてヒットさせたCMの一部が以下です。
NEC バザールでござーる (画像は公式サイトから)
子供のころよく見てましたw
このさるの主人公、ちゃんと家族もいるし設定がしっかりしていて物語性があるんです。
見る人がこの物語性を感じることで共鳴し、興味を引きます。
湖池屋 ドンタコス
♪ドンタコスったらドンタコス♪
ってゆうあれです。子供のころめっちゃ歌ってましたww
これは商品名を連呼すると覚えてもらえるというルール。
ただ、このようなルールは出発点でしかなく、ディティールの完成度が重要になってきます。
佐藤氏はなんでもやるようで、CMソングの作詞作曲や振り付けなんかもやってディティールを詰めていたようです。
次に「トーン」という方法。
食品だったらおいしそうに感じるとか、文字や名前などいろいろなところにシズル感をつけたりする。
このトーンを成立させるにもディティールの完成度が大事。
ヒットCMを数々手がけた佐藤氏ですが、94年に電通を退社。
これまでは良いものを分析してルールを発見していたわけですが、今度は自分で新しいルールをつくりたい、と独立します。
その後はソニーのIQ(ゲーム)やだんご三兄弟の作詞作曲などなどの仕事を手掛けています。
だんご三兄弟ってなんかドンタコスに似てるような気がします。
ドンタコスとか、だんご三兄弟とか、人の頭に植え付けるのがすごく巧いと思います。
バザールでござーるのあの曲?みたいのが、これ書くために公式サイト見てから頭の中で流れっぱなしですww
デザインイノベーション特論(5/26)リチャード・サッパー
今回はRichard Sapperについてです。
サッパーは大学では経済を学んでいました。
卒業後ベンツに入り、バックミラーのデザインを担当。
その後Gio Ponti(ジオ・ポンティ)の建築事務所に入ります。
●Gio Ponti
建築が主ですが、それに関わる家具など全体的にデザインしていました。
ミラノで展示会を創めたり、新しく雑誌を発行したりと、先駆け的なことをいろいろやってきた人。
イタリアのモダンデザインにおいて超重要な人物。
当時のイタリアではデザインを学べるようなところはあまり無く、建築家がデザインをやっていたそうです。
そのためアメリカから出発したスタイリング重視の、構造はできてるものに対してガワだけ考えるようなデザインとは正反対で、建築に近い考え方をして構造をとても重視したそうです。
で、そのジオ・ポンティのもとで働いていたサッパーは、La Rinascente(リナシャンテ)というデパートの商品デザインを任されることになります。
リナシャンテはデザイン運動を活発に行っていて、日本で言うと銀座の松屋みたいなとこらしいです。
そんな中でサッパーはMarco Zanuso(マルコ・ザヌッソ)と出会い意気投合します。
この二人はその後15年ほどペアを組みデザインをしていきます。
ここからはサッパーの作品の中でも特に個人的に気に入ったものをいくつか紹介していきます。
Static Table Clock
サッパーのデビュー作。
第二次大戦後、使わなくなった砲弾を使って何か作れないか、という依頼でできたものだそうです。
真鍮の削り出しでできていて、とてもキレイですよね。
文字盤は興味を与えるためにあえて浮き出させています。
黒くて四角い箱。かなりシンプル。
アンテナやスイッチなどのディテールにこだわることで、ただシンプルなだけじゃなくて飽きのこないデザインになっています。
キッチンタイマー。
上部が少し膨らんだ形になっています。これは、真っ平らだと人の目にはちょっと凹んで見えてしまうためです。
メタファーとして鶏の頭を取り入れています。
金色の鳴るところはハーモニカメーカーに作らせていて、いい音が鳴るそうです。
是非聞きたかったんですが、さすがに授業中にやかん鳴らすわけにはいきませんかw
さて、サッパーのデザインアプローチですが、
・シンプルだけど興味を与えるディテール
・「動き」を取り入れる
・無駄を省く
ディテールや「動き」でシンプルな中に興味を与え、無駄を省くことで洗練されたかたちにします。
そうすることで「長く飽きないデザイン」になるんですね。
実際作られたのは30年40年と昔なのに、古臭く感じないのが不思議です。
また、サッパーは最も美しいものを作ったら同じものは二度やらないそうです。
やるとしても素材とか使用をちょっと変える程度のブラッシュアップで。
今回、授業中に先生が「究極のかたち」と何度も仰っていましたが、サッパーの作品は本当にディテールまで洗練されていて、まさにそうだと感じました。
これが究極のかたちだ!なんて言えるもの、死ぬまでに一度は作ってみたいですね^^;
デザインイノベーション特論(5/19)エドワード・タフテ
今回はEdward Tufteについて。
アメリカでかなり有名なデザイナー。
これまでに4冊ほどしか本を出していません。大体15年に一冊くらいのペースです。
この本を出すために自分で出版社を立ち上げたのだとか。
ただ、残念なことに現在日本語に訳された本はありません。是非出して欲しいんですが…。
これが授業中にまわってきた本の表紙です。
中身はいろいろな図やグラフなどの表現でギッシリ詰まってます。
さて、エドワード・タフテはどんなことをしているかというと、私たちのいる3次元の空間を印刷物や画面上などの2次元でいかに表現するか、ということをしています。
情報をいかにわかりやすく、伝えやすくするか、ってことですね。
タフテの考え方は
Escaping flatland
平らな土地を避け、大事なものは上にあげる。必要な、伝えたい情報をピックアップしてわかりやすくする。
この考えを基に、5つのアプローチ
1、MICRO/MACRO Readings
MICROとMACROという関係は階層化されていて、ふつう同時には見れないものですが、これを同時に見せるという考え。
WEBページではよく 【HOME>○○○>△△△】 というようなのが表示されていますが、こうすることで自分が全体(MACRO)の中のどこ(MICRO)にいるかを示しています。
これは、ベトナム戦争の戦没者慰霊碑です。
壁の高さはその年に亡くなった人の数を示していて、離れて見ると死者の多さがわかり、近づくけば亡くなった方の名前が彫られているのがわかります。
これもMICROとMACROが関係しています。
2、Layering and Separation
視点の違う情報を、重ねるか分けるかして伝える。
これは重ねることでわかりやすくしています。
3、Small Maltiples
小さい情報をたくさん並べることで比較ができるようになる。
ひとつひとつの情報だけではわからないが、並べることで全体像がわかる。
上の本の表紙に色違いのTシャツの絵が並んでいますが、こうやって並べて見たほうが自分の好みのものって選びやすいですよね。
4、Color and Information
色は情報を与える。複数の色にうまく意味付けをすると、複雑な情報がわかりやすくなる。
5、Narratives of Space and Time
小さい図とかグラフィックで情報に軸を加える。
これはナポレオンの遠征時の死者を表す図です。
川にぶつかったところなどでたくさん人が減っていき、戦争でいかに人が戦わずして死んでいくかを伝えています。
以上がタフテのアプローチです。
これはタフテの彫刻作品です。
森の中にアルミ板を組み合わせた形で置かれています。
周りの木に日が当たることで影がこのアルミの板に投影されます。
これは光の情報をピックアップして、板という平面上に表しています。
これもEscaping Flatlandってことなんですね。
今回の授業はホント学ぶべきことが多かったです。
これらのアプローチはプレゼンとかいろいろなことに活用できる大事なことばかり。
他の授業の課題とか、ちゃんと見直さなくてわ・・・。