女子ゴルフ・藤田さいき 亡きキャディにささぐ…

涙の復活優勝「どうしても彼のためにも優勝したいなと」

◇女子ゴルフツアー  大王製紙エリエールレディース最終日
(2022年11月20日 愛媛県 エリエールGC松山(6575ヤード、パー71)
 
 1打差の2位からスタートした藤田さいき(36=チェリーゴルフ)が4バーデ
ィー、ボギーなしの67で回り、通算21アンダーまでスコアを伸ばし、逆転優勝を
決めた。  
試合後に藤田は「11年ぶりなので何も考えていなくて…。伝えたいことが沢山
ありすぎて、ここでは伝えきれないので、とにかく皆さんに支えられてここまで
来られたことに本当に皆さんに感謝したいです。ありがとうございます」と涙を
浮かべた。  
 
「最終戦までキャディをしてくださる予定だった方が今年の10月に亡くなって
しまった。4月のフジサンケイでもホールインワンを一緒に達成して、これから
という時にそういうことがあったので、どうしても彼のためにも優勝したいなと
思っていたので、それを見せることが出来て嬉しかった」と今年の10月9日に
食道がんとの闘病の末に亡くなったプロキャディーの橋本道七三(みちひさ)
さんのことを思いやった。  
 
最後には「やっぱりここまでずっと支えてくれた旦那さんに感謝したいと思い
ます。そして、ずっとこの年まで一緒に戦ってくれている上田桃子ちゃんにも
感謝してます。そして支えてくださっている皆様、スポンサーの皆様、ギャラ
リーの皆様、本当に感謝しています。ありがとうございました」と伝えた。
 
初日は4バーディー、ボギーなしで67をマークし、首位に3打差の9位タイと
好スタート。2日目は7バーディー、1ボギーの65と順調にスコアを伸ばし2位に
浮上した。3日目も8バーディー、1ボギーの64で回り、通算17アンダーまで
スコアを伸ばし、2位をキープ。首位の鈴木愛(28=セールスフォース)とは
1打差で最終日を迎えた。  
 
難度の高い5番パー4で右バンカーからの2打目をピン手前3メートルにつけ、
最初のバーディーを奪い、勢いに乗った。鈴木愛とのマッチプレーの様相と
なったV争い。9、15番では互いにバーディーを奪い合った。最後はこの日も
ボギーなしと安定感が光った藤田に軍配が上がった。
最終18番、ピン左約1メートルのウイニングパットを沈めると、次の瞬間、
カップ横にしゃがみ込み、号泣。涙の復活劇となった。11年10月16日の富士通
レディス以来、11年35日ぶりの優勝。88年のツアー制施行後では先月の樋口
久子・三菱電機レディースを11年189日ぶりに制した金田久美子に次ぐ歴代2位
の「ブランクV」達成となった。  
 
◇藤田 さいき(ふじた・さいき)1985年(昭60)11月22日生まれ、静岡県
沼津市出身の36歳。14歳でゴルフを始め、06年プロテスト合格。同年プロミス・
レディースで初優勝し11年の富士通レディースまでツアー通算5勝。16年から
登録名を「藤田幸希」から「藤田さいき」に変更した。趣味は映画観賞。
1メートル68、67キロ。
 
                   (以上 スポニチアネックスより)
 
 
                       (写真はGetty Imagesより)
 
連日の女子ゴルフの話題です。
残すところ今大会を含めて2戦となった日本女子プロゴルフの大王製紙エリエール
レディース大会最終日、鈴木愛プロとの激闘の末、最終ホールで優勝を勝ち取った
のがベテラン36歳の藤田さいきプロ。なんと11年ぶりの優勝で感涙のシーンです。
 
今日は所用であまりテレビを観られませんでしたが、優勝を決めた瞬間の藤田プロ
の姿が上の写真。1mくらいのパーパットを決めた瞬間、グリーンにしゃがみこん
で顔を覆い、涙、涙、涙…
 
藤田プロの涙の理由は色々あったかと思いますが、記事によると一つは11年という
ブランクを経ての激闘の末での優勝であったこと。そしてもう一つはこれが一番の
涙の理由かと思いますが、今までキャリーバッグを運んでくれたキャディーさんが
今年の10月にがんで亡くなられていたこと。勝利のパットが決まった瞬間、藤田
プロは一番に彼のことが頭に浮かび、思わず涙があふれ出てきたのだと思います。
今まで一緒に戦ってきて今年も最終戦までお世話になる人との別れ。それはそれは
辛い想いでずっと戦ってきたのだと思います。ラウンド中にも彼のことが頭に
浮かんで絶対勝ちたい、勝たせて!と叫びに似た気持ち、それが伝わってきて
インタビューとスピーチのシーンでは私も胸が熱くなりました。
今回は藤田さいきプロが優勝してくれて本当によかったと思いました。
藤田プロ、11年ぶりの優勝本当におめでとうございます!
 
そして最後までデッドヒートを繰り広げた鈴木愛プロにも拍手!
若くして女王の座についた鈴木愛プロですが、最近は若手の勢いに押される形で
少し影が薄くなっていました。それでもまだ28歳、決してベテランではなく中堅
という感じですが、女王の貫録があるのでもう30歳を超えているのかと思って
いました。
今大会は藤田さいきプロとともにマッチプレーのような凄まじいバーディー合戦
で大会を盛り上げてくれ、最終ホールでもバンカーからあわやチップインの
見せ場を作ってくれました。彼女も病気と闘ったり、過去の栄光と戦ったり苦労を
重ねています。パットが抜群に上手くて、入り出したら止まらない鈴木プロ。
以前のようにいつも安定して上位というわけではありませんが、調子に乗ると
まだまだ爆発力は健在。今回のように上位で戦える選手ですね。
戦いが終わった後、藤田プロと抱擁するシーンは本当に感動的でしたね。
 
そして今大会の終了時点でメルセデス・ランキング上位50位に与えられる
来季ツアーのシード権が決定。
 
【メルセデス・ランキング トップ50】
(大王製紙エリエール・レディース終了時点11月20日現在) 
1 山下 美夢有 
2 西郷 真央 
3 稲見 萌寧 
4 西村 優菜 
5 勝 みなみ
6 吉田 優利 
7 小祝 さくら 
8 菅沼 菜々 
9 堀 琴音 
10 藤田 さいき 
11 青木 瀬令奈 
12 上田 桃子 
13 高橋 彩華 
14 川崎 春花 
15 菊地 絵理香 
16 申 ジエ 
17 岩井 千怜 
18 森田 遥 
19 植竹 希望 
20 ペ ソンウ
 
とりあえず上位20名まで掲載しましたが、上位陣には黄金世代以下の若手が
ズラリ、10位以降にベテランと今季初優勝したプレーヤーらが並び、まさに
若手中堅ベテラン入り乱れた群雄割拠状態になっています。
 
この中で、西村優菜、勝みなみ両プロはアメリカツアーの予選会に挑戦。
合格すれば来季から米女子ツアーに主戦場を移します。
来季はランキング上位の実力者を中心に、20歳前後の若手、アマチュアの馬場
さん、今年初優勝してすでに2勝の川﨑、岩井千プロらがどこまで戦うか、
そしてそれを阻止する上田桃子プロらのベテラン勢の激しい戦いが期待されます。
 
この中で岩井姉妹は史上初の姉妹同時シード権活躍 来季の飛躍に期待です。
 
 
         (左:姉、明愛 右:妹、千玲 写真はスポニチアネックスより)
 
 
残す試合は次の週末に宮崎県で開催されるリコーカップのみ
米ツアー勢から古江、渋野、笹生プロが参戦、日本女子ツアーランキング上位者、
ツアー優勝者ら40名で今季最後の熱戦となります。
個人的には古江彩佳プロ、今季不調なのに上位にいる稲見萌寧プロ、あと一歩
で今季未勝利の吉田優利プロの優勝が見たいのですが、誰が勝ってもおかしく
ない戦いとなるのを期待しています。
 
昨年は先日ホールインワンを決めた三ヶ島かなプロが初優勝。歓喜のシーン
が繰り広げられました。
余談ですが、その三ヶ島プロ、彼女のTwitterによるとホールインワンの翌日、
歩道で立っているとチャリ(自転車)にはねられたというアクシデントが。
それを嘆いていると本日最終日にベストスコア賞で50万円ゲットというまさに
ジェットコースターのような日々。幸いけがはなかったようでよかったのですが、
人生は一寸先は闇、何が起こるかわかりませんね。
 
ということで今週のゴルフの話題はこれでおしまい。
次回で今年のゴルフ関連の記事は多分終わりになるかと思いますが、まさか
ここまでハマるとは思いませんでした(笑)