子供のころして欲しかったことをした話 | 舞姫の「世界が面白いじゃんね」

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詩人ですが、アニメも、映画も、岡田斗司夫も、絵画も、建物も、怪談も好きなヲタクのブツブツブログ。

数日前

マンションのオートロック部分を抜けて

少し広いところに

5歳くらいの男の子がうろうろしていた。

 

このマンションで

子どもが一人で行動しているところを見たことが

なかったので、なんとなく違和感を覚えた。

 

でも、見知らぬ子に声をかけるのも

このご時世どうだろう?と思って

一度はエレベータのほうに向かったのだが

やはり気になって彼の様子を伺うと

 

既視感のある動きにっこり

 

ドアの前から離れられないけど

なんかうろうろしてしまう

アレ。

 

これはおうちから締め出されたな、

と思ったので思い切って声をかけた。

 

ひらめき「おうち、入れないの?」

 

コクリ

 

ひらめき「叱られた?」

 

ウウン

 

ひらめき「カギがない?」

 

ウウン

 

ひらめき「おうちのなかに、人はいるの?」

 

コクリ

 

ひらめき「そか。じゃあね、困ったら

この上の階の一番端っこのおうちのピンポンを押して?

私、そこに住んでる人だから、

何かあったら助けてあげるからね」

 

コクリ

 

ひらめき「上の階の端っこだよ。ピンポンしてくれれば

私、出てくるからね」

 

コクリ

 

そして手を振ると

彼は律儀にバイバイと手を振り返してきた。

 

さてと、10分後に様子を見に行くとするか

と思って、家で待機してから様子を見に行くと

はたして彼はいなかった。

 

念のためオートロックの外に出ていないかを

確かめてうちに戻った。

 

 

私は子供時代

合計したら何か月分になるのだろうというくらい

家からの締め出しをくらっていた。

 

とにかく母がかんしゃくを起こすと

私を叩いた後、

閉じ込めるか外にだすかの

2択だったのだ。

 

(今の感覚だと完全に虐待だが

あの時代は割と普通だったとは思う。

全然いいことじゃないけど)

 

そしてなぜか締め出されると

急に尿意が湧くという笑い泣き

 

出されたら、どっか遠くに行ってしまってもいいのに

なぜかドアのそばから離れられない感じ。

 

親もそれを知ってて外に出すのがずるいよなと

今になって思う。

 

あの、大きく立ちはだかるドア。

もうお母さんに話も聞いてもらえない

捨てられたという感覚。

 

そんな幼い私をほっておけなくて

おばさんになった私は

彼に声をかけたんだろう。

 

いろんな大人がいるけど

あなたを気にかけてる大人もいるんだよ。

 

とにかくそれだけ伝わればいいなと

思ったのだ。