「オーストラリアに行った夢を見た....」と、女房が今朝の朝食の席で、呟いた。

「どこの空港かわからないけど、移動しないといけないんだけど、どうも、その場所が分かりにくくって、困ってて...」

ずいぶん前だが、娘と息子が、まだ幼かったころ、一家でオーストラリアを旅行したことがある。

「子供たちが、まだ、ちっちゃくて....たしか、バーバラさんも、いて.....」

バーバラさんというのは、その旅行で訪ねた、オーストラリア人の一家の、奥さんのこと。私が40年ほど前に、仕事で、一年間、オーストラリアに滞在した時に、家族同様にお世話になり、以来、こちらが向こうを訪問したり、向こうが日本を訪れたりして、親戚同様のお付き合いが続いた。

 

一昨年の九月に、その奥様が、持病で亡くなった。まだ、70代半ば。コロナ禍で、葬儀への参列どころか、オーストラリアへの入国さえも容易ではなく、仕方なく、案内された、教会からのネット配信の中継を見ていた

コロナもやっと落ち着き、昨年、旦那さんの、80歳の誕生日パーティに呼ばれて、八月の初旬から、九月の始めにかけて、久しぶりに、オーストラリアを再訪した。

 

盆に重なり、日本の盆の方は、ご先祖様に失礼する形になって、墓参りは家族にまかせて、出発したのが、一年前の、8月10日。三日後に開かれた、家族、親戚、友人の集まる誕生日パーティのあと、ひと月ほど、旦那さんと、キャンピングカーに寝泊まりして、オーストラリア縦断の旅をした

 

 

旅の出発前、そのキャンピングカーで、ご自宅からクルマで20分ほどの、霊園を訪れた。ご覧の通りの広い霊園で、墓の前まで、クルマで行ける。墓標を見ると、左側に奥様の名前が刻まれていて、右半分は、空欄。「私の名前を入れてもらうスペースさ」と、旦那さんが言った。日本の位牌も、同様の記銘をする方も多かろう。「仏式で、良いか」と、了解を得て、手を合わせた。

今朝、女房の話を聞いて、そういえばと思って、日付を調べてみると、奥様の墓参りをしたのは、ちょうど、一年前の8月12日。

偶然?

いや、きっと、茶目っ気のある、いたずら好きだった、バーバラさんが、久しぶりにサプライズで、会いに来てくれたんでしょう。懐かしい.....。

 

その翌日は、誕生日パーティで、ゴルフ場隣接のレストランの、広い、野外の会場で、にぎやかに行われた。久しぶりに会った家族たち、誰だか、分からない親戚たち、見ず知らずのご近所さんたち.......フランクに話しかけてくるオーストラリア人たちと、英語でどうにか会話しながら、出発前に、女房に言われたことを思い出していた。

「あなたが、オーストラリアに行くのって、なんだか、盆に里帰りするねたいね。久しぶりに、いろんな人と会って......」

確かに、こうやって、話すのは、お互いの知り合いの、だれかれのこと、最近の出来事、などなど。日本で、盆に、地方へ帰るのと、あんまり違わない。今回は、お墓参りもしている。

 

明日は、盆の入り。