1 読売日本交響楽団演奏会(指揮、セルジュ・チェリビダッケ)1978年3月17日 神奈川県民ホール

2 シカゴ 1998年11月7日 ニューヨーク、シューバート・シアター

3 ぺリクリーズ(演出、蜷川幸雄)2003年3月1日 彩の国芸術劇場

4 柳家喬太郎 2024年3月3日 埼玉会館小ホール

5 カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師  2026年2月12日 東京文化会館大ホール

 

以上は、いま70才の私の「オールタイム・ベストファイブ」です。60才になった時に、「オールタイム・ベストテン」を、こちらのブログに書いたことがあって、その「続編」ということになります。

「パフォーミング・アーツ」という言い方は、聞きなれない方も多いでしょうが、舞台上で演じられる、あらゆるパフォーマンス(出し物)をひっくるめてあらわす、たいへん便利、かつロジカルな英単語で、私は、そういう気持ちで、コンサートも芝居もミュージカルもオペラも落語、その他諸々を、観ています。

どうして、「テン」が「ファイブ」に減ったのかというと、どうも「テン」となると、とりあえず、これも入れとくか、という選び方になっていたなと、今になると感じます。

 

ちなみに、10年前の、「テン」は、

 

1 ペリクリーズ
2 読売日本交響楽団演奏会(指揮、セルジュ・チェリビダッケ)
3 上海バンスキング 1980年5月 オンシアター自由劇場
4 シティ・オブ・エンジェルス 1991年8月4日 ロサンゼルス、シューバート・シアター
5 シカゴ 
6 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団演奏会 1992年10月3日、大宮ソニックシティ
7 屋根の上のバイオリン弾き(主演、森繁久彌)1978年11月 帝国劇場
8 ヴァレリー・アファナシェフ ピアノ・リサイタル 2005年10月30日 浜離宮朝日ホール
9 バイエルン国立歌劇場公演「ロベルト・デヴェリュー」(ソプラノ、エディタ・グロベローヴァ)2011年10月1日 東京文化会館
10 人形浄瑠璃文楽鑑賞会 1980年3月8日 埼玉会館小ホール

 

と、なっていて、順位付けをしていますが、今回は、「観た順」です。五つとなると、しょせん遊び事とは承知しつつ、いったいどれを残すのか、けっこう真剣になりました。そして、順位付けなど不可能と、今更ながら気づきました。

ご覧のとおり、ペリクリーズとチェリビダッケとシカゴが「ファイブ」に残りました。それぞれの紹介やら感想やらは、このブログ内のリンクをはっておきましたので、もし気になるものがあれば、リンク先をご覧ください。

 

以下、今回、「ベスト」に新しく入ったパフォーマンスについて、ご紹介します。

 

4 柳家喬太郎 2024年3月3日 埼玉会館小ホール

これは、この一回きりの公演が、ということではなく、この日、柳家喬太郎という落語家のすごさに驚嘆して、以後、ちょくちょくと落語を聴きに行くことになったのですが、いまだに、私の落語家ベストワンは、迷うことなく喬太郎です。そういう意味での、ベストファイブのひとつ(ひとり?)です。

写真でご覧のとおり、彩の国芸術劇場が主催する「彩の国さいたま寄席」の「令和四年度、彩の国落語大賞、受賞者の会」に、「ゲスト」として出演して、「抜け雀」という古典落語を語ったのですが、いったい何年ぶりかというくらいに大声で笑ってしまいました。また、笑うばかりでなく、登場人物どおしの、相手を思いやる微細なやり取りに感心しました。こうした古典落語もしっかりした技術に裏打ちされて素晴らしいのですが、新作となると、大げさかもしれないが、「前人未踏」の笑いの世界が出現します。昨年末に聴いた「カマ手本忠臣蔵」は、「松の廊下の刃傷事件は、オカマの痴話喧嘩だった」という途方もない設定で、その後の途方もない展開と笑いに、会場が巻き込まれていきます。古典も新作も本当にすごいという噺家は、この人くらいなんじゃないか。

ところで、「彩の国落語大賞」というのは、「彩の国さいたま寄席」の出演者から、毎年、観客の人気投票で選ばれるもので、令和四年は、三遊亭わん丈と浪曲の玉川大福のふたり。受賞者のおふたりの、落語も、漫談をまじえた浪曲も、十分に面白いと思ったのですが、まことに失礼ながら、柳家喬太郎の登場で、ほとんど記憶から飛んでしまいました。が、後になって、この世界の情報に多少通じてみると、玉川大福は浪曲界の「中興の祖」ともいうべき逸材だし、三遊亭わん丈は、いま、若手の注目株として、すっかり人気者だし、今にして思うと、実に贅沢な公演でした。久しぶりに何となく落語を聴きに行って、こんな公演に巡りあえたなんて、全くラッキー。

また、その後、ちょくちょくと落語を聴きに行くようになっていて、まだまだライブで聴けていない噺家も多く、今後の人生に、大きな楽しみが増えました。そういえば、いま一番、楽しみにしているのは、上方落語で人気がうなぎのぼりの、桂二葉さんが聴けることで、七月のはじめの北千住での独演会の、かなり良い席をゲットできました。本当に、楽しみ。

そういう意味でも、「ベストファイブ」に、この公演をいれるのは適当かと思いました。

 

5 カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師  

ついこの間観たばかりなので、印象が強いせいか、とは思いつつ、やはり、これは、私の観たオペラの中では、少なくとも、演出では、ダントツの一位。

意表をつくような、いわゆる「読み替え」があるわけでもなく、ひたすら作品によりそって丁寧に作られながら、ゾっするような深い読みを示す、神業のような演出。歌手というか、歌の凄さといえば、「テン」に入っていた、グロベローヴァが絶対ですが、舞台も含めた総合的なパフォーマンスとしては、この公演。

こんなすごいものに、いまだに巡り合ったりするのだから、長生きはしてみるものだと思っています。

 

蛇足ながら、「テン」の時には、60才、還暦という人生の節目をかなり意識していて、その流れで「テン」のアイデアを思い付いたと記憶しています。70才も、一応、古稀という区切りになりますが、今どき、私も含めて、そんなことを意識する人は少なく、むしろ「あと、五年で後期高齢者か」という、味気ない感慨しかありません。だから、「ファイブ」でも選んでみることで、逆に、だらだらとした年金生活の「節目」をつくってみようとも思って投稿したわけです。

 

そんなわけで、このあとも、いくつか、70才の「オールタイム・ベストファイブ」を選出してみようと思っています。