クリスティーナ・アギレラの歌とダンスに魅了された人も多いのでは。確か日系BPのDVD売り上げランキングでは長らくランクインを果たしています。
しかし、ただの
クリスティーナ・アギレラのプロモーション・ビデオだと思っています。商業的なやつ。

田舎娘の都会でのサクセス・ストーリー。一文無しで飛び出し、吸い込まれるように運命的にショービジネスの世界へ、そこで出会った素敵な男性と恋に落ち・・・なんてスト―リーが展開するごとにいちいちナンセンスです。
そして、心情の投影として挿入されるミュージッカルシーンも、とてもわざとらしくとても下世話な感じがします。

ミュージカル映画というのは、表現・演出において、もっとウィットに富むべきです。華やかできらびやかなだけのミュージカル映画なんて騒々しく下世話です。
3つくらい連続でミュージカル映画について書こうと思います。まずはこちら、ミュージカル映画の最高峰。

ブロードウェイの大ヒットミュージカルの映画版。
ストーリーの進行は映画セットで撮り、ミュージカルシーンはキャバレーのステージのセットへ大胆に転換する、という演出が、ミュージカルの「映画化」を大成功させています。
もしこれが、ストーリーと連続してミュージカルを挿入する、というやりかたであったとしたら、ブロードウェイミュージカルのスクリーン・DVDへの単なる「移植」であり、それはひどい評価となったことでしょう。「バーレスク」なんかがそうです。一般には高い人気を得ていますが、私はあまり評価しません。次の記事で書きましょう。

セル・ブロック・タンゴに、ママ・モートン登場、腹話術記者会見のシーンなんかが特に秀逸。このような演出を取り入れたことで、 都会的なきらびやかさと欲望に溢れた、シカゴという街の強かなルールをよく表わしています。 

「したたかな女」というのは、特に近現代においての表現の一大テーマでありますが、この映画の登場人物たちは「したたか」なんてものではありません。人を殺めてなお大手を振って笑っている、それはとびきりの「悪女」です。
しかし、「悪女」のレッテルを貼られようが、自分が正しいと言い張り、自分の欲求に正直に生き、はつらつと笑う、完成された都会の女性の魅力をよく描き出しています。大好きな映画です。ブロードウェイのミュージカル版も見てみたいものです。
スピルバーグが「スタンドバイミー」を描いたら。というような映画です。

スタンドバイミー、グーニーズ、そしてハリー・ポッター然り、子供の冒険っていやおうなしにワクワクして仕方がない。
しかし、母親を事故で亡くした少年、というアンニュイな設定で始まったにも関わらず、地底生物との対決、そして・・・!というギラギラのSFにすり替わっていき、なんとも大味な印象でした。
しかし、そこはスピルバーグ。大味な設定を、徹底したSF演出で、スペクタクル冒険科学活劇に変えてしまうあたりさすがです。
まあ、「ジュブナイル」然り、子供×SFに、きちんとした映像技術がついてくれば、それなりに楽しめる長編映像として成立しうるということでしょうか。

「SUPER 8」はコダックが発売していた動画用フィルムの名前だそうな。なるほどね。

10代の頃から注目されていたアーティストのフルアルバム。
MUSICAの鹿野氏が、ツアーフライヤーへの寄稿で、ラキタのことを「生まれた瞬間から自由な音楽生命体」と評し、次のように述べています。
「(ラキタの歌は)その声自体が空や海、そして大地に向けられたゴスペルのようだ。」 

ボ・ガンボスのどんとやズットズレテルズの存在は、彼を語るにあたってうんざりするほど必ず引き合いに出されてきましたが、しかし、ラキタの歌はそんな外から着せられた肩書をことごとく裏切るように、自由というか精神の開放感で満ち満ちています。鹿野氏もいうように、大地へむけられた宗教歌のようでもある。

2010年「夏の魔物」で彼が演奏を目の当たりにしたのですが、アコギ一本で歌いあげる彼の泉のような感性が、日射しの照りつける真昼の夏フェス会場を潤したようでした。

ズットズレテルズ「第一集」に「地球のへそ」という曲が収録されています。あの個性的なアルバムの中でも、ひときわ異彩を放っていたあの楽曲が、ラキタによって作曲されたものであったことはすぐにわかりました。雨の蒸す豊かな湿林のような、アマゾネスな魅力を放っていました。 

彼の楽曲はどれも「プリミティブ」な魅力に溢れています。20世紀の白人たちが、黒人音楽のプリミティブな魅力に吸い込まれていったのと同じように、音楽が細分化し、ビジネスやらテクノロジーやらが絡まって複雑になってしまった今、そんなしがらみのどれにも縛られない、ラキタの歌のプリミティブさが強烈に人を引き付けるのだと思います。
昨年末から話題をさらっている、ニューヨーク育ちの若い才能、kido yoji。
まずジャケットがずるい。こう、キュートな男の子がめいっぱい大人ぶってすましてる感じ。フォントまでそんな感じ。

夜のネオンライトの中を颯爽と駆け抜けるような、ロマンチックなエレクトロ・シティー・ポップ。とろけるように甘く刹那的なメロディーが胸をかすめ、余韻をのこして離れません。
フレンチ・エレクトロの他に、ディスコやファンクといった70~80年代の気風も感じられ、彼のルーツが顔をのぞかせます。
現在のエレクトロシーンを牽引する80kidzといったダンスサウンド勢に、シーンの次の一手を提示する新鋭のEP。

本作は80kidz主宰のkidz recからのリリースとなりましたが、今後は
kidz recを離れて活動を展開していくとのこと。ダンスサウンドに傾かない、彼の自由で伸びやかなエレクトロサウンド。次のリリースなり動向に注目です。