『ballet rotoscope』
佐藤 雅彦 + EUPHRATES
審査委員推薦作品、 こちらも非常に印象的でした。「ロトスコープ」とは、撮影したオブジェクトの輪郭線をトレースする、アニメーションの制作手法とのこと。ウィキペディアですが、「スターウォーズ」のライトセーバーは、俳優が使用するダミーの棒の輪郭をトレースして、光の軌道を描くそうです。
その手法をつかって、作成されたこちらの作品。くるくると舞うバレリーナと、
白線で視覚化した彼女の動きの軌道を、映像内に共存させ、新鮮な映像体験をもたらしています。つま先・指先・間接といった点を線で結んぶと、多角形が彼女の動きによって変化していきます。彼女の指先の軌道を連続的に結ぶと、新体操のリボンのような曲線が現れます。
柔らかなバレリーナの身のこなしに、無機的な輪郭線が重なることで、ふだん感覚的に観賞してきたバレエの動きが線という定量で表わされて、そのような動き・軌道だったのか、と気付きを得るような感覚体験がもたらされます。と同時に、流動的なバレリーナの体躯と幾何学的な白線・多角形・曲線を交えることで、バレエの美しさを”テクノ”な魅力にマッシュアップしているように感じました。
人が、「無性に」引き付けられる身体的な美しさを、幾何学で図形的に暴くことで、バレリーナの動きの美しさに映像的な新鮮さが加わって、非常に引き付けられました。