日曜写真家トモのフォト日記

湿原地帯を抜けると、家々などの人工物が見えてき、釧路の中心地に近づくほどに、街並みは関東の国道沿いのそれとさほど変わらぬ賑わいを見せる。大型のスーパーや本屋、外食チェーン店。もし目隠ししてこの地に連れてこられて「ここは関東だ」と言われても信じてしまうだろう。しかし、店の敷地面積はやたらと広いものが多いように感じる。土地が余っているためだろうか、客の数の割には贅沢にスペースを使っている店舗が目につく。


車を釧路駅前の駐車場に停めた。駅の程近くに、釧路で有名な市場があるということで行ってみることにした。車を降りると相変わらずの冷たい空気が身体をなでてくる。


その市場は「和商市場」といった。外観は中規模の個人商店といった風情だろうか。だが、中に入るとこの地でとれたと思わしき、カニやサケなどの魚介類が所狭しと並べられている。かといって店舗は綺麗に区分けされており、通常の市場のような煩雑さはない。たとえるなら、デパートの地下食品売り場のほとんど全てが魚屋といえば、近いイメージかもしれない。だから、本業で市場にくる人も用が足りるだろうし、家族連れや観光客も楽しめるスペースになっている。刺身にして50円から売っている店舗もあり、腹は減っていなかったのだが、ホッケの刺身やカニ身などを楽しんできた。



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釧路空港から外に出て、まず感じたのは空気の冷たさだ。天候のせいもあるのだろうが、もう五月の末というのに、東京の冬に相当する寒さだった。レンタカーに駆け込み道道を走る。車窓には飛行機に乗る前とは違う景色が流れてゆく。


やたらと長い直線の道、その左右には地平の彼方まで平らな大地が広がる。その大地が釧路湿原だということをカーナビが示していた。


大自然の中に身を置くと気分が晴れやかになるのを感じた。空があいにくの曇り空なことも、残してきた山積みの仕事のことも、これほどの寒さだとは想像しておらず薄着で来てしまったことも、もう気にならない。そして、水没した電話のことなど、ちっぽけなことのように感じられ、たまには電話やメールなしで過ごしてみるのも悪くないと思えた。



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五月の末、大学時代の友人の結婚式に出席するため、北海道の東端、釧路まで足を運んだので、そのときのことを紹介しよう。


思えば最初から波乱含みだった。出発の前夜、洗濯をすませておこうと考え、着ていたジャージも脱ぎ洗濯機に投げ込んだ。急いだのがいけなかった。ジャージのポケットの中には携帯電話が入れっぱなしになっていた。


防水でもなんでもない安物の携帯電話は水流に耐え切れず、案の定使用できなくなっていた。朝一番に空港に向かわなければならなかったので、携帯電話の修理やこの旅での使用は諦め、高速バスに乗り込む。車窓には都心の工場群がひしめいていた。何か重要な電話がかかってくるのではないかという不安が浮かんだ。


羽田から釧路空港まではおよそ一時間半、束の間のフライトだった。


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