日曜写真家トモのフォト日記

釧路から羽田に戻った。


高速バスに乗り込んでもまだ釧路の景色が水彩絵のように脳裏に焼きついたまま残っていたが、車窓から見える首都圏の騒がしい景色を眺めていると、水彩の淡い色彩は序々に鮮やかさを失い、喧騒に飲み込まれてしまう。と、同時にこれからの仕事のこと、将来のこと、明日の昼休みには携帯電話を何とかしなきゃな、そうだ、留守番電話にメッセージが入ってるかもしれない、今日の晩飯はどうするか、と日々の現実が次々によみがえってくる。


明日からまた慌しい日常が始まるのだろう。けれど、目をつぶるとゆったりとした広大な土地の記憶や結婚した彼らの残像もまだ、消えずに残っていた。今夜は北の大地と彼らが見た夢の続きを俺も見られそうな気がした。



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硫黄山を後にすると俺たちは釧路空港に向けて出発した。帰りの時刻が近づいていた。最後に見せたいものがある、と新郎は言った。ここに来たならあれを見ていくべきだろうと。釧路まで戻り、この地にきて最初に見た地平の彼方まで広がる釧路湿原を左右にながめながら車を走らせ、小高い山の上にあがる。何を見せたいかが何となくわかってきた。


人気のない展望台。異様に大きな空間が足下に広がる。そこから、釧路湿原を望むことができた。カメラはもちろんのこと、視界に収まりきらないくらいの大きさだ。ずっと見つめていると、その広大さに飲み込まれそうになる。




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