上野アブアブ:令和の消滅 | 硝子の中年のブログ

上野アブアブ:令和の消滅

  上野アブアブが6月末で閉店。

全く知らなかった。

テレビも新聞も、1ミリも取り上げず。

超下町ローカルニュースで、関心もナシ。

昭和は完全に終わりました。

  正式名称は「赤札堂」が付く。

勿論、私の世代では当然分かるけど。

昭和20年10月28日に開店。

マジか?

まだ、終戦から2ヶ月余り。

混乱の極みだったはず。

  創業者の想いは憶測になるけど、いつまでも悲しんで、凹んでいても何も好転しない。

飯を食うためには、飢えないためには、仕事をするしかない。

必ずモノは売れるはず。

戦後復興の最初のページを庶民が口火を切った。

野性的かつ本能的な逞しささえ覚える。

  廃業の理由は老朽化と耐震のためとホームページでは記されているが。

直近のテナントの構成は知らないが、大半はファッションと雑貨で占めていたはず。

それとも、立体のシャッター通りに近かった?

デパートと同じく、実店舗は厳しかったと推測できる。

今の渋谷の109の現状は知らないが。

流石にギャルの聖地だから、大きくは失速していないのだろう。

  109が脚光を浴びる前は、アブアブが東京の若い女子の服飾の情報発信基地だった。

当地では松坂屋と双璧の知名度の商業施設だった。

誇張ではなく。

ホームページは残っているが、閉店の挨拶だけが載っている。

因みに私はかつて館内にあったチケットぴあを利用したり、飲食をした記憶もある。

中年のおじさんには若干、ハードルが高かったが。

店内の比率は女子97%で、男子3%くらいだったので。

  そして、解体して跡地利用は?

検索しても、情報は得られない。

アパホテルか!?

上野には、すでに2棟あるから可能性は低い。

更地にして、当面は未利用というケースも。

固定資産税が引き続き課されるだけで、メリットはゼロで拙いが。

売却の目途が立っていない場合も有り得るので。

工事用仮囲いが設置されて、虚しく放置される。

  いずれにしても、新陳代謝は不可避。

旧人類は周回遅れです。

コロナの時代になってから、殆ど生活圏から出ていないので。

本件の如く情報難民と化している。

インターネットだけではなく、自分の足とアンテナと嗅覚で街をアナログに探求していたので。

  上野は江戸時代から市街化していた土地柄であり、当時から「酒悦」「伊豆栄」「十三や」などの老舗が営業していた。

つまり新興の町ではない。

したがって、街の軸足は定まっている。

姑息な再開発も考えにくい。

液状化はしないだろう。

遺伝子は繋がれるはず。

栄枯盛衰、諸行無常、色即是空、会者定離。

「夏草や兵どもが夢の跡」