富士登山:カオスの手前 | 硝子の中年のブログ

富士登山:カオスの手前

  7/1から山梨県側の富士山への登山規制が始まった。

結論から言えば、遅過ぎる。

これは世界遺産登録が取り消される可能性が出たため、急遽対応した背景が、側面がある。

内容は3点。

① 1日の入山の上限は4,000人。

② 一人2,000円の入山料の徴収。

③ 午後4時から午前3時の間は入口を閉鎖。

   要するに、いわゆる弾丸登山を排除する狙いもある。

近年の富士山に殺到する有象無象の絶対数を目にすると、当然そのスキル・体力・経験値はピンキリというか、雲泥の差があると言える。

ハイキングの延長線と思っている奴らもいる。

したがって、末尾・末席の方の連中は怪我や体調不良で動けなくなる者が珍しくない。

当然、救助隊の世話になり、大きな迷惑をかける。

  いずれにしても、富士山をテーマパークか、流行りのファッションの如く捉えて、アドレナリンを全開にして挑む、痴れ者がいる。

男女を問わず、短パンという軽装もいる。

半袖の奴も。

日本人ではないが。

また、登山靴はおろか、キャラバンシューズでもなく、スニーカーですらなく、学校内で使用する、いわゆる上履きに近いシューズも映像で見かける。

論外である。

  リュックの中に上着も入っているから問題ない、という外国人も。

山頂は平地と比較すると、単純計算でも22℃前後は気温が低い。

地上が30℃でも、山頂付近は8℃である。

さらに風が強いと、体感温度はさらに低く、体力を奪われる。

確実に低体温症になる。

要するに、山をナメているということに尽きる。

自分は大丈夫という、全く根拠のない自信で登る、知能程度が低い連中。

これ以上は蛇足になるので割愛するが。

  そして、これは山梨県だけの措置であり、静岡県は山梨の様子を見て、来年以降の導入を検討するという見解。

これは完全に後出しジャンケンであって、姑息であり1ミリの思想信条さえも無い。

行政として、お粗末の極み。

総論として、これまでに富士山を観光地として最大限に拡大拡張し、活用しようとしてきた反動が弊害となって顕在化した。

  関連する案件として、登山鉄道の計画が現在進行している。

これは逆に山梨県が知事を先頭に企画をぶち上げているが、富士吉田市長は反対を表明している。

つまり、ねじれ現象でもある。

この策謀こそが、霊峰富士を冒涜するもの以外の何物でもない、と言える。

最悪である。

商魂の匂いが強く漂う。

富士の原形さえも棄損する。

    富士の山麓に鉄道を通すのであれば、伊勢神宮の最寄駅から外宮を経て内宮まで、宇都宮のライトレールのような路面電車の開通を画策する、という観念に等しい。

熊野那智大社のご神体である、那智の滝でロッククライミングを敢行した日本人の馬鹿がいたが、本質的には大差ないと言える。

畏敬の念の欠片もない。

邪道の、外道と指弾する。

日本人の最大公約数は無宗教という実相、その極みと言える。

  ここで、山頂を所有する富士山本宮浅間大社の出番というアクションも有り得るが、この神社は静岡県の社であり、行司役、奉行役として登場すると、余計に事態が混乱し錯綜する懸念がある。

いずれにしても、富士山を巡っては自分を中心に地球は回る、という精神構造の輩が、当事者として利得を狙って蠢いている。

銭儲けの道具として。

 令和の御代が終わる頃には決着がついて、終止符が打たれているだろうか。

それとも、迷走が続くのか。

そのうち、昭和天皇が眠る武蔵野陵の上にドローンを飛ばす奴が現れるだろう。