増山江威子:訃報に時が止まる | 硝子の中年のブログ

増山江威子:訃報に時が止まる

  増山江威子さんが亡くなった。

享年88歳。

ネットニュースでは89歳という記事もあるが、1936年生れが正しければ、88歳が正しいはず。

私が昔創った川柳

『 バカボンのママ正体は峰不二子 』

外にも実に多くの作品に参加している。

キューティハニー、巨人の星、魔法使いサリー、サザエさん、ゲゲゲの鬼太郎、ひみつのアッコちゃん、お化けのQ太郎、キャッツアイ、それいけアンパンマンなど。

昭和のアニメを彩った、レジェンド的な声優といっても過言ではない。

  私的には未だ、永眠は早いと思える。

この時がいずれは訪れることは想像していたが、現実味は乏しい。

それほど、峰不二子は増山の声を母体として、独り歩きしているので。

さらに、同じく1936年生れの野沢雅子は現役で活躍しているので。

増山自身も本人の気持ちは、現役という矜持があったのでは、と推測する。

何故ならば、青二プロのプレスリリースで、弊社所属と記されているので。

勿論、名誉会員的な立場だったのかもしれないが。

昭和が遠くなったことに正直、脱力感を覚える。

  色々な角度から触れることができるが、やはり峰不二子について、多くを綴ることになる。

彼女はセカンドシーズンから担当した。

ファーストシーズンを担当した二階堂有希子は年下であり、現在83歳。

亡くなった俳優、柳生博が夫だった。

これは余談だが。

二階堂の声も捨てがたい。

勿論、増山のような色香は少ないが、別の魅力を感じる。

上手く表現できる語彙がなくて残念だが。

不二子が去っていくときの、クールで刹那的な声のトーン、その心象かもしれない。

  そして、不二子の声は増山から沢城みゆきに引き継がれる。

彼女の声質は全く違和感がない。

ルパンの山田康雄を継いだ栗田貫一よりも馴染んでいるかもしれない。

必ずしもテクニックという点ではなく、やはりエロキューションとしか言いようがないが。

手元に山田康雄のメモリアルブックがある。

1995年の発行。

多くの声優や仕事仲間が追悼の言葉を寄せている。

勿論、ルパンファミリーは全員が。

  その彼らも全員が冥界に戸籍を移している。

巻末には他の同輩や後輩の哀悼の言葉も。

一部の名前を記すと、大平透、肝付兼太、永井一郎、熊倉一雄もすでに鬼籍に入っている。

現役あるいは存命では、小原乃梨子、三ツ矢雄二、戸田恵子、富永みーな、日髙のり子、古川登志夫、水島裕、中尾隆聖など。

彼らベテランの強い絆を経て、財産として声優の世界はこれからも太い潮流、奔流として、その精神が引き継がれていくと確信する。

多くの若者があこがれる分野としても定着しているから、淘汰はあっても人材の枯渇の心配はないだろう。

  本当にお疲れ様でした。

貴女の声、永久保存版です。

今頃は多くの仲間と再会していますか?

栄枯盛衰、諸行無常、色即是空、会者定離。

合掌。