全国のアリーナは令和の夢舞台
本日の番組「噂の東京マガジン」は、さいたま市のアリーナ建設についての問題。
5,000人収容規模のメインアリーナと最大で500人程度が利用できるサブアリーナが建設される予定。
これに対して地域住民は強く反対している。
現在の体育館は老朽化して、建て替えの必要はあるが、メインアリーナの必要性を否定している。
さらに、このアリーナから約2キロの距離に、さいたまスーパーアリーナが存在する、という信じがたい実状。
素人でも、この計画が個別案件としても異常かつ愚劣であることが分かる。
論外と指弾する。
詳細な予算の内訳は分からないが、着工から竣工に至る過程で様々な補助金が国から交付される。
スポーツ庁と経産省がアリーナ建設を全国的に推進するプロジェクトを策定している。
これに基き、現時点で全国88ヵ所のアリーナ建設が予定されている、という説明。
憤激に耐えない。
「箱もの行政」という言葉が認識されて久しいが、ここにも鉄とコンクリートの構造物を公共事業として半永久的に作り続ける、という邪道が露呈している。
大手のゼネコン・ディベロッパーに対する、利益誘導・利益供与の構図である。
酷いケースでは、これらの大企業が官僚の天下りの受け皿になっている。
昭和の頃からの定番のパターンが踏襲されている。
1ミリの後ろめたさもなく、当然の如く。
永田町の政治ブローカーは国家予算に吸い付く寄生虫である。
政官業が三位一体で腐っている。
再三言及するが、日本の国家財政は実質的に破綻している。
世界的に類例がない、天文学的な赤字を抱えている。
構造物に膨大な予算を計上し、執行する余裕・余力は微塵もない。
日本は超大国でも、産油国でもない。
これは全体像の一角に過ぎない。
リニアモーターカー、整備新幹線、地方空港、スーパー堤防なども全く同列の図式で今日まで来ている。
番組が紹介した国の文書には、アリーナの必要性を含む、思想構想などのグランドデザインはなく、漠然とした利用のイメージが記されているだけである。
説得力は全くない。
住民や有権者を愚弄しているに等しい。
さらに日本は急激な人口減少で余暇活動の分母が、底辺が減衰する国である。
完成後も閑古鳥が鳴いて、ランニングコストだけが無駄に支出されるだけの姿が容易に推量できる。
費用対効果として有り得ない。
勿論、独立採算的にペイできる訳がない。
無責任にもほどがある。
辟易する。
これが自民党を軸とした政権与党の醜悪な手法であり、方程式である。
その延長線に現在の苛烈な格差拡大と二極化がある。
これを許容してきた有権者の自業自得でもある。
これが民度が低く、平和ボケで思考停止の日本人の縮図であり、最大公約数である。
フリーハンドを与え、白紙委任してきた、政治的偏差値の低い日本人の実相である。
因みに上記のアリーナを52億円で整備する、という番組情報だが、そんな金額で完成するはずはない。
平成初期の当時の積算でも無理だろう。
少しでも知識がある者であれば、別の物件と比較すれば容易に分かる。
この数字は誤魔化しというよりも、詐欺に等しい。
最後に中野サンプラザの跡地の再開発も全く同じ構図と指弾して、私見を終えたい。